キレート療法の概要と心血管疾患への適用可能性
キレート療法は、主に鉛や水銀中毒の治療に用いられてきましたが、近年では心臓病や脳卒中の患者にも有効とする見方が出ています。ただし、米国食品医薬品局(FDA)や米国心臓協会(AHA)は正式に承認しておらず、医師の間でも賛否が分かれています。
機能
キレート療法では、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)を静脈注射で投与します。EDTAは血液中の金属イオンと結合し、体内で化合物を形成して尿とともに排出されます。EDTAは鉛・水銀中毒の治療には確実に効果がありますが、心血管疾患に対しては、動脈硬化斑に含まれるカルシウムと結合し、これを除去することで血管のダメージを回復させると主張する研究者もいます。
手順
治療は通常、5回から30回のセッションで構成されます。患者は診療室の椅子に座り、腕または手に静脈カテーテルを装着します。その後、EDTAがゆっくりと注入され、1回のセッションは数時間続きますが、針刺し部位の軽いチクッとした感覚以外は痛みはほとんどありません。治療後は日常生活にすぐ戻れますが、足首のむくみや頻尿を訴える人もいます。また、EDTAと一緒に体内のビタミンが排出されるため、ビタミン補給が推奨されます。
リスクと副作用
米国国立衛生研究所(NIH)は現在、キレート療法の有効性とリスクを検証する臨床試験を実施中です。メイヨークリニックが報告した小規模研究では、心臓病への効果は認められませんでした。一般的な副作用として、発熱、低血圧、嘔吐、頭痛が挙げられます。稀に、永久的な腎機能障害を引き起こすケースも報告されています。
