頭部外傷の概要と応急処置
頭部外傷は頭蓋骨、頭皮、脳に影響を及ぼすすべての外傷を指します。毎年数百万件の頭部外傷が発生し、そのうち50万件以上が入院や死亡につながる重大な損傷です。適切な応急処置を行うことで、後遺症や死亡リスクを大幅に減らすことができます。
頭部外傷の種類
頭部外傷は、開放性(貫通性)と閉鎖性の2種類に分けられます。頭部に物体が衝突し、頭蓋骨が破れずに脳が保護されている場合は閉鎖性頭部外傷です。逆に、頭蓋骨が破れて異物が脳内に入ると開放性頭部外傷となります。
重度の頭部外傷の症状
直ちに医療機関へ連絡すべき重篤な症状は、意識消失、頭部や顔面からの大量出血、鼻や耳からの血液や透明な液体の漏出、激しい頭痛、頸部痛、混乱、呼吸停止、四肢の脱力、バランス感覚の喪失、嘔吐、構音障害、瞳孔のサイズ不均等、止まらない泣き声、めまい、排尿・排便コントロール不能、けいれんなどです。
閉鎖性頭部外傷の対処法
閉鎖性頭部外傷には、患部に冷却パックを20分間当てます。内部(開放性)外傷の兆候がないか注意深く観察し、眠っている場合は四肢の痙攣や呼吸状態、皮膚の色変化を確認します。異常が疑われたら、軽く覚醒させ、反応がない場合は完全に覚醒させ、起き上がらない場合は直ちに救急搬送が必要です。
応急処置
- 重篤な症状が見られたらすぐに119へ連絡し、救急隊の到着を待ちます。
- 救急隊が来るまで、気道・呼吸・循環(ABC)を確認し、必要なら心肺蘇生(CPR)を実施します。
- 呼吸と脈拍が正常で意識がない場合は、頭と首を両側から支えて脊椎を固定し、頭部を脊椎と一直線に保ちます。出血がある部位は清潔な布でしっかりと圧迫し、血が染み込んだ布は取り除かずに上に新しい布を重ねます。頭蓋骨骨折が疑われる場合は直接圧迫せず、滅菌ガーゼで覆います。頭蓋内に異物が刺さっている場合は取り除かないでください。
- 腫れた部分には氷嚢や冷却パックを当てます。嘔吐した場合は、頭・首・体を一体にして側臥位にし、脊椎の安定を保ちます。
予防と対策
スポーツ時はヘルメットなどの保護具を着用し、車両ではシートベルトを必ず使用します。自転車は交通法規を守り、夜間は視認性の高い服装で走行し、家庭内は子供が安全に遊べるように危険物を片付け、専用の遊び場を設けるなどの対策が有効です。
