ビリルビン尿の原因は何ですか?
定義
ビリルビン(ヘマトイド)は、赤血球のヘモグロビンが分解される際に生じる黄色い代謝産物です。通常は胆汁として排泄されますが、尿中に異常に多く検出される状態をビリルビン尿と呼びます。ビリルビン尿は体内に何らかの病変があるサインであり、早期に原因を特定する手がかりとなります。
主な原因
肝細胞性疾患(銅代謝異常)
肝臓に銅が過剰に蓄積することで肝細胞が障害され、ビリルビンの胆汁への排泄が阻害されます。銅が全身に拡散すると脳にもダメージを与え、筋肉の震えや認知症、言語障害などが現れます。肝硬変が進行することもあります。
Dubin‑Johnson症候群(先天性)
遺伝性の希少疾患で、ビリルビンの胆汁排泄が障害され尿中にビリルビンが漏れ出します。症状は肝細胞性疾患に似ますが、生命予後は良好です。黄疸は生涯続くことが多く、過度の飲酒、妊娠、経口避妊薬の使用で症状が悪化します。
Rotor症候群(先天性)
Dubin‑Johnson症候群と同様に遺伝性で慢性的な黄疸を呈しますが、肝臓の色素沈着がなく、尿中ビリルビンの量は比較的少ない点が異なります。
予後と治療
Dubin‑Johnson症候群とRotor症候群は致命的な合併症が少なく、ほとんどの患者は通常の寿命を全うします。一方、銅代謝異常による肝細胞性疾患は脳障害や肝硬変のリスクが高く、予後が不良になることがあります。早期発見で食事中の銅摂取を制限し、ペニシラミンなどのキレート剤で体内銅を除去すれば、症状の進行を抑えることが可能です。
