葉酸欠乏性貧血の病態生理は?

葉酸(ビタミンB9)はDNA合成、細胞分裂、赤血球の形成に不可欠な栄養素です。葉酸が不足すると、葉酸欠乏性貧血(葉酸性貧血)と呼ばれる貧血が起こります。

葉酸欠乏性貧血の主な病態

1. 葉酸摂取不足

緑葉野菜、果物、ナッツ、豆類、強化食品など葉酸を多く含む食品の摂取が不十分な場合や、消化管からの吸収障害があると、体内葉酸が減少します。

2. 葉酸代謝の障害

葉酸は体内でジヒドロ葉酸還元酵素(DHFR)やメチオニンシンテターゼなどの酵素により活性型へと変換されます。遺伝的変異や酵素欠損があると、この変換が阻害され、機能的葉酸欠乏が生じます。

3. 葉酸需要の増加

妊娠・授乳期、子どもの急速な成長、がんなどの慢性疾患では葉酸の消費が増大します。また、メトトレキサートやスルファサラジンといった薬剤は葉酸代謝を阻害し、欠乏を助長します。

4. 赤血球生成障害

葉酸はDNA・RNA合成に必須であり、赤血球の成熟に深く関わります。葉酸が不足すると、骨髄で巨大赤血球前駆体(巨赤芽球)が形成され、未熟で機能不全な赤血球が血中に放出されます。

5. 貧血の発症

正常な赤血球数が減少し、酸素運搬能力が低下するため、倦怠感、倦弱、蒼白、息切れ、頭痛、認知機能低下などの貧血症状が現れます。

6. その他の影響

葉酸欠乏は速やかに分裂する細胞(胃腸粘膜、口腔粘膜、毛包)にも影響し、消化不良、口内炎、脱毛などを引き起こすことがあります。

早期の診断と適切な治療が重要です。バランスの取れた食事や医師の指導に基づくサプリメントで葉酸を補給し、欠乏状態を防ぎましょう。

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