妊娠中の鼠径部の痛み(鼠径部引き裂き)について

概要

妊娠中に頻繁に起こる鼠径部(股関節)痛は、胎児の成長に伴い靭帯や筋肉が伸びることで生じます。特に妊娠12週頃に違和感が現れ、その後も繰り返し起こり得ます。

事実

  • 鼠径部引き裂き(鼠径部ストレイン)は、筋肉や太ももの付近に過度の負荷がかかることで起こります。鼠径部の筋肉は骨盤内側から大腿骨内側まで広がり、脚を引き寄せたり股関節の動きを助けます。急な方向転換や体の急激なシフトが筋肉の過伸展や断裂を招くことがあります。

診断

  • 妊娠中は出産に備えて靭帯が緩むため、鼠径部の痛みや圧痛、脚を閉じる・膝を持ち上げる際の痛み、または「パチン」と音がした直後に激しい痛みが出ることがあります。これらが鼠径部引き裂きの典型的な症状です。

分類

  • 症状の重症度に応じて3段階に分けられます。
    第1度:痛みはあるが筋力や可動域の低下はほとんどありません。
    第2度:痛みとともに組織の部分的損傷が見られます。
    第3度:激しい痛みと機能喪失、筋肉の完全断裂が起こります。医師は診察と必要に応じてX線検査で他の問題を除外します。

予防・対策

  • 姿勢変更はゆっくり行い、靭帯が徐々に伸びるようにします。くしゃみ・咳・笑いが出るときは股関節を曲げてから行うと鼠径部引き裂きを防げます。
    痛みが出た場合は、通常4〜6週間で自然に回復します。主な治療は安静です。腫れがあるときは氷で冷やし、抗炎症剤で痛みと腫れを抑え、弾性包帯で圧迫すると回復が早まります。

注意点

  • 痛みが数分で収まらない、出血・痙攣・吐き気・発熱・寒気・膣分泌物の変化などが伴う場合は、すぐに産科医に連絡してください。診断や治療に伴うリスクや副作用は必ず医師と相談しましょう。

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