頸椎人工椎間板置換術(顕微手術)のリスク

頸椎人工椎間板置換術(顕微手術)を検討している方は、手術のメリットとリスクを医師と十分に相談してください。顕微手術は従来の脊椎固定術(融合術)に比べ侵襲が小さいものの、出血、脊髄液漏れ、感染、神経根損傷、麻痺、最悪の場合死亡といったリスクは依然として存在します。

可動域の喪失

人工椎間板置換術は、変性した椎間板による神経圧迫を除去しつつ、頸椎の可動性を保つことが目的です。融合術では椎間板を除去し隣接椎体を固定しますが、人工椎間板は術後も首の可動域を維持します。ただし稀に自然融合(自発性癒着)が起こり、可動域が制限されることがあります。

感染

手術創から細菌が体内に侵入するリスクは常にあります。皮膚表層の感染は経口または静脈投与の抗生物質で治療できることが多いですが、筋肉・組織・骨まで及ぶ深部感染の場合は追加手術が必要になることがあります。

血栓・血栓塞栓症

頸椎手術で血栓ができることはまれですが、血栓が血流に乗って肺、脳、心臓へ流れ込むと血栓塞栓症を起こし、脳梗塞や心筋梗塞、血流障害を引き起こす可能性があります。予防策として手術前に抗凝固薬を使用することがあります。

人工椎間板の沈み込み

人工椎間板が椎体内に沈み込む(または上方にずれる)と、再び神経圧迫が生じ、症状が再発します。この場合、正しい位置に戻すための再手術が必要です。

インプラントの破損・不具合

長期間の繰り返し動作によりインプラントが摩耗し、微小な破片が体内に放出されることがあります。これに対して免疫反応が起こり、疼痛や炎症を引き起こすことがあります。また、インプラント自体が緩む、破損することもあり、再置換手術が必要になります。

神経損傷

手術中に神経根や脊髄が誤って切断・圧迫・牽引されると、腫脹や感覚・運動障害が起こります。膀胱の神経が損傷すれば一時的または永続的な失禁が生じることもあります。脊髄液漏れや人工椎間板の不適切な配置が原因で、さらなる圧迫や麻痺が起こる場合もあります。

出血

手術中に前方の血管が損傷すると出血が起こります。大量出血の場合は輸血が必要になることがあります。

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