脊髄損傷に対するレーザー光療法
脊髄損傷(SCI)は、脊髄が損傷し神経系が障害されることで、身体の一部が完全または部分的に麻痺する状態です。米国政府は長年にわたり、レーザー光療法による脊髄修復の研究に資金を提供してきました。
原因
- 転倒、交通事故、暴力、スポーツ傷害などが主な原因です。代表的な例として、俳優のクリストファー・リーヴ(スーパーマン役)が脊髄損傷を負ったことが挙げられます。脊髄損傷は、脳から体への信号伝達が阻害される神経系の障害です。
レーザー光療法の原理
- 低出力の光を損傷部位に照射し、皮膚や組織を通して脊髄に届かせる非侵襲的で痛みのない手法です。当初は光が皮膚を通過し脊髄まで届くか疑問視されましたが、現在は医師とFDAが光が実際に組織を貫通できることを実証しています。
医学的評価
- 「光は中枢神経系(CNS)の損傷や疾患に対する神経再生・保護療法として注目されている新概念です」と、メリーランド州ユニフォームド・サービス大学医学部のフアンニタ・J・アンダーズ博士は述べています。
再生効果
- アンダーズ博士らの研究によると、レーザー光療法は皮質脊髄路軸索の再生数と軸索伸長長を有意に増加させました。つまり、光療法は脳と脊髄をつなぐ神経接続を再構築できる可能性が示されています。
実用化の現状
- 現在の研究は動物実験とヒト死体を用いた試験に限られています。まだヒトの麻痺を完全に治す段階ではありませんが、アンダーズ博士は近い将来実現可能と見込んでいます。
その他の利点
- 慢性・急性疼痛の緩和、血流増加、免疫系・神経終末の刺激、コラーゲンや筋組織の生成、健康な細胞の増殖、創傷治癒や血栓形成の促進、炎症抑制など、多岐にわたる効果が報告されています。
