スピナ・ビフィダ(脊髄披裂)の概要と対策

スピナ・ビフィダは新生児に最も多く見られる先天性奇形で、千人に1人の頻度で発症します。文字通り「開いた脊椎」を意味し、出生時に脊椎が完全に形成されず、脊髄が下部背部から露出することがあります。欠損部位と範囲により症状の重さは異なります。

手術

出生後数分以内に、露出した脊髄を体内に戻す手術が行われます。軽症例では排尿・排便障害が主な問題で、歩行は可能です。重症例では脚ブレースが必要になるか、生涯車椅子生活となることがあります。

スピナ・ビフィダのタイプ

スピナ・ビフィダは主に3種類に分類されます。

  • スピナ・ビフィダ・オキュルタ(潜伏型):皮膚上に異常は見られず、長期的な合併症も少ない。
  • スピナ・ビフィダ・メニンゴセレ(中等症):脊椎の欠損部から髄膜がはみ出し、背部に嚢胞が形成されますが皮膚は破れていません。
  • スピナ・ビフィダ・ミエロメニンゴセレ(重症):脊髄そのものが皮膚を通じて外部に露出し、感染リスクが高くなります。

水頭症(ハイドロセファリー)

ミエロメニンゴセレの多くは同時に水頭症を伴います。脳脊髄液が正常に排出されず、脳内に水がたまることで深刻な脳障害を引き起こす恐れがあります。出生直後にシャント手術が施され、生涯にわたり機能を維持する必要があります。シャントが詰まると激しい頭痛と圧迫感が生じ、再手術が必須です。

失禁(排尿・排便障害)

脊椎下部が未発達なため、膀胱と腸のコントロールが困難になることが多く、失禁が主な問題となります。

移動制限

症状の重さに応じて、歩行障害は軽度の不整歩から、脚ブレースや車椅子が必要な重度まで幅があります。

心理的影響

失禁や歩行障害により、同年代の子どもからのいじめや差別を受けやすく、自己肯定感の低下やうつ症状に繋がることがあります。保護者は学校と連携し、適切なサポート体制を整えることが重要です。

予防と啓発

原因は完全には解明されていませんが、過去20年間の医療技術の進歩により、重症例でも成人まで生きるケースが増えています。妊娠前後に葉酸を毎日摂取することで、スピナ・ビフィダの発生リスクを最大70%低減できるとされています。

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