背景
上頭蓋(テントラム上)領域は大脳半球を含む脳の前部で、全脳重量の約85%を占めます。大脳は随意運動や思考、意思決定などを司り、白質と灰質の両方から構成されています。
機能
脳の約40%は白質で、神経繊維(軸索)によって情報を伝達します。灰質が情報処理の中心(CPU)であるのに対し、白質は各灰質領域や中枢神経系全体を結ぶ回路板の役割を果たします。
特徴
白質が健康でないと、情報伝達が阻害され、認知・判断力の低下や運動機能障害が生じます。白質に病変(病変部位)ができると、血流障害や経路の閉塞が起こり、歩行バランスの乱れや失禁などの症状が現れます。
重要性
白質疾患は慢性的な病態で、病変が増えるほど灰質からの指令伝達が途絶え、思考の遅延や日常生活動作の停止に至ります。症状は病変の数と広がりに比例して悪化します。
歴史
トロントの神経科医サンドラ・ブラック博士によれば、CTスキャンの普及に伴い白質異常が認識され始めました。2000年頃に拡散テンソル画像(DTI)が導入され、白質損傷の範囲と原因がより詳細に評価できるようになりました。
予防
白質疾患はCTやMRIで早期に発見できますが、予防は生活習慣の改善が鍵です。血圧・コレステロールの管理、禁煙、定期的な運動、バランスの取れた食事が推奨されます。糖尿病は血糖コントロールが難しいためリスクが高く、若年期からの健康的な生活が最も効果的です。
