嚢胞性線維症は時間とともにどのように進行するのか
早期(新生児期〜幼児期)
この段階では、粘液が厚くなるため消化不良が起こり、体重が増えにくいことがあります。また、持続的な咳や喘鳴、頻繁な呼吸器感染が見られます。新生児では、粘液が原因で腸が詰まり、胎便腸閉塞(メコニウム腸閉塞)を起こすことがあります。
小児期・思春期
年齢とともに肺機能が徐々に低下します。粘液の蓄積と慢性の感染により気道が損傷し、息切れや咳が続きます。緑膿菌や黄色ブドウ球菌などの病原菌が肺に定着し、さらに肺障害を進行させます。栄養不良が続くことが多く、食事管理と膵酵素補充が必要です。気道が永続的に拡張し、損傷する気管支拡張症が徐々に現れます。
成人期
肺機能の低下が進行し、呼吸症状が重くなり、運動耐性が低下します。呼吸器の悪化に伴い入院が頻繁になることがあります。また、糖尿病、肝疾患、骨粗鬆症などの合併症リスクが高まります。特に肺機能が高度に低下した場合、嚢胞性線維症関連糖尿病が発症しやすくなります。
末期
重度の肺障害(気管支拡張症、炎症、瘢痕化)が進行し、呼吸不全に至ります。慢性緑膿菌感染などの持続的な感染は治療が困難になります。肺疾患に起因する右心不全(肺性心)や栄養不良といった合併症も現れます。肺移植は末期肺疾患に対する治療選択肢の一つです。
個人差はありますが、早期診断と適切な管理により、嚢胞性線維症の患者でも比較的健康で充実した生活を送ることが可能です。
