関節リウマチ(RA)の症状・進行・治療法
関節リウマチ(RA)は、関節や臓器に炎症を起こす自己免疫性の慢性疾患です。発症は40歳以上に多いものの、若年層でも見られ、全世界で約1%が罹患しています。主な症状は手足や首、脚の関節の腫れと疼痛で、左右対称に現れます。重症例では目、口、肺、心臓まで影響が及ぶことがあります。
関節リウマチとは
RA は免疫系が自己の組織を誤って攻撃することで起こります。炎症が持続すると関節が痛み、腫れ、硬直します。正確な原因はまだ不明ですが、感染症との関連や白血球減少が症状の悪化(フレア)に関与するとされています。女性に多く、喫煙者はリスクが高いです。症状が出ていない期間は「寛解」と呼ばれ、完全に症状が消えることもありますが、再燃する可能性があります。
主な症状
RA 患者は以下のような症状を訴えることが多いです。
- 全身の倦怠感、食欲不振、体重減少
- 関節のこわばり(特に朝方)と疼痛
- 低熱や筋肉痛
- 日常動作(ドアノブの回転、歯磨きなど)が痛みを伴う
- 稀に声帯を支える環状軟骨関節が炎症し、声がかすれることがある
体への影響
RA は全身性疾患であり、以下の臓器にも波及します。
- シェーグレン症候群:目や口の乾燥
- 胸膜炎:胸痛、呼吸困難、咳嗽・喘鳴
- 心膜炎:胸部圧迫感、特に仰向けで悪化
- 貧血:赤血球産生の低下
- フェルティ症候群:白血球減少と脾腫大、感染リスク増大
リウマチ結節
炎症が強い関節近くの皮下に、皮膚色の硬い結節ができることがあります。主に手・指・肘・膝に見られ、サイズは豆粒大からくるみ大まで様々です。通常は痛みを伴いませんが、神経を圧迫して可動域が制限されることがあります。稀に声帯や内部臓器に形成され、機能障害を引き起こすこともあります。
滑膜炎(シノビティス)
関節を覆う滑膜が炎症を起こすと滑膜炎となります。滑膜が肥厚・血流増加し、関節が温かく、腫れ、痛み、こわばりが生じます。炎症細胞が産生する酵素が軟骨を徐々に破壊し、長期にわたると関節破壊と激しい疼痛へと進行します。
診断
RA の確定診断は単一の検査では不可能です。以下の検査と臨床所見を総合して判断します。
- 血液検査(RF、抗CCP抗体、炎症マーカー)
- 関節液解析
- X線・超音波による関節画像
症状の出現時間、頻度、程度をメモして医師に提示すると、診断がスムーズになります。
治療
症状の軽減と関節破壊の進行抑制を目的に、以下の薬剤が用いられます。
- 鎮痛・解熱剤(アセトアミノフェン)および NSAIDs(アスピリン、ケトプロフェン、イブプロフェン、ナプロキセン)—炎症と疼痛を一時的に緩和
- ステロイド—短期間の炎症抑制に有効だが、長期使用は皮下出血、白内障、糖尿病などの副作用がある
- 免疫抑制剤(メトトレキサート、レフルノミドなど)—免疫系の過剰反応を抑え、関節破壊を遅延
- 生物学的製剤(TNF 阻害薬、IL-6 阻害薬など)—高度な炎症制御が可能だが感染リスク増大
薬剤は医師の管理下で使用し、定期的な血液検査で副作用をチェックすることが重要です。
