脳卒中プログラムの実施方法
脳卒中(脳血管障害、CVA)は、脳内の血管が閉塞したり出血したりすることで組織が損傷または壊死する疾患です。迅速な治療が不可欠で、時間が経つほど後遺症が残りやすくなります。代表的な兆候として、顔面のたるみ、言語障害、視線固定、片側の麻痺や脱力などがあります。救急部で脳卒中プログラムを導入すれば、患者が最短時間で適切な治療を受けられ、予後改善につながります。
ステップ1 脳卒中プログラムの設計
救急部で脳卒中患者の対応フローを明文化し、専門チームを編成します。AHA(米国心臓協会)では、以下の専門職をチームに含めることを推奨しています。
- 救急医学医師
- 神経内科医
- 脳卒中看護師
- 薬剤師
- CTスキャン担当者
- 検査室の採血技師
- IV治療スタッフ
プロトコルには、脳卒中のサインと症状のチェックリスト、実施すべき診断検査、そしてプログラム実行手順を記載します。
ステップ2 スタッフ・地域への周知
病院内部だけでなく、救急医療サービス(EMS)や地域住民にもプログラムを周知します。具体的には、以下を実施します。
- スタッフ向けミーティングでプロトコルと連絡体制を説明
- EMSへプログラム情報を提供し、脳卒中疑い患者の搬送先として当院を選んでもらう
- 地域向け広報(チラシ・ウェブサイト)で脳卒中の兆候と受診先を案内
専門プログラムを持つ救急部は、一般的な救急部に比べて早期診断・治療が可能で、長期的な後遺症リスクを低減できます。
ステップ3 参照ガイドの作成と配置
脳卒中の代表的な兆候と症状をまとめた「チェックリスト」を作成し、以下の場所に掲示します。
- トリアージステーション
- 看護師ステーション
- 入院受付デスク
スタッフはガイドの使い方と、診断検査のオーダータイミングを習得します。
ステップ4 連絡体制の整備
救急部の受付や介護スタッフが脳卒中疑い患者を確認したら、即座に脳卒中チームへ連絡できるようにします。連絡先(氏名・ページャー・電話番号)はガイド横に掲示し、一次連絡担当者を決めておきます。
ページャーやスマートフォンで「脳卒中患者到着予定」などの専用メッセージを送信すれば、チームは検査・治療の準備を前倒しで進められます。
まとめ
迅速な診断とチーム連携が脳卒中治療の鍵です。上記の4ステップを踏んで救急部に脳卒中プログラムを導入すれば、患者の予後改善に大きく貢献できます。
