コア安定性エクササイズと脳卒中リハビリテーションのポイント
脳卒中は脳への血流が止まることで起こり、酸素供給が断たれた神経細胞が死滅し、筋力や四肢の機能が低下します。リハビリテーションでは、失われた動作を再学習し、筋力とバランスを回復させることが目的です。その中でもコアの安定性を高めるエクササイズは、体幹を支える筋群を鍛え、全身の動きの基盤を作る重要な要素です。
カリステニクス
- 自重を利用したエクササイズは、ウエイトが扱えない患者にも適しています。代表的な種目は「膝付きプッシュアップ」です。通常のプッシュアップと同様の動作ですが、膝を床につけて行うため負荷が軽減され、上半身の筋力を徐々に強化できます。
- もう一つの例は「片足カーフレイズ」です。立位で片足を後方に曲げ、バランスを保ちながら足首を伸ばします。目を閉じて行うと視覚情報が除かれ、体幹の安定性がさらに鍛えられます。
エクササイズボール
- ボールに座り続けるだけでも体幹の保持が必要となり、基礎的なコアトレーニングになります。座る際は背筋を伸ばし、膝は足首の真上に置きます。重度の患者はセラピストの補助を受けながら行います。
- 体力が向上したら「壁スクワット」などの応用種目に挑戦します。ボールを背中と壁の間に挟み、スクワット動作を行うことで下半身と体幹の同時強化が期待できます。
フリーウェイト
- リハビリの後期に導入できる軽いダンベルは、協調性と筋力の再教育に有効です。目標は筋肥大ではなく、正しい動作パターンを再学習させることです。
- 代表的な種目は「バイセップカール」「トライセップエクステンション」「フロントショルダーリフト」「ショルダーアップ」です。これらは日常生活での物を持ち上げる、窓を閉める、歯ブラシを持つといった動作をサポートします。
レジスタンスバンド
- バンドは負荷の調整が容易で、特に「ネガティブ動作」のトレーニングに適しています。例としてバイセップカールの上げ下げをゆっくり行い、戻す際の筋肉の伸張を意識します。
- 負荷を高める工夫として、エクササイズボールに座りながらバンド運動を行うと、体幹・バランス・協調性を同時に鍛えることができます。
