脳卒中の治療とリハビリテーション
米国国立神経疾患・脳卒中研究所(NINDS)によると、米国では年間70万人以上が脳卒中を発症し、その約3分の2がリハビリテーションを必要としています。早期治療は重篤な障害を防ぐ可能性がありますが、即時に医療を受けた患者でも、失われた機能の回復や日常生活の維持のためにリハビリが必要です。
脳卒中の治療
脳卒中の種類に応じて初期治療は異なります。虚血性脳卒中は血管が閉塞し脳への血流が阻害されるものです。米国脳卒中協会によれば、全脳卒中の約85%が虚血性です。早期治療では血栓溶解薬(組織プラスミノーゲンアクチベーター)を投与し、血流回復を図ります。アスピリンなどの抗血小板薬は、発症48時間以内に投与すれば再発予防や転帰改善に寄与します。プラビックス(クロピドグレル)も血栓形成防止に用いられますが、胃痛・吐き気・潰瘍などの胃腸副作用があるため、医師と相談しながら使用します。
出血性脳卒中は血管が破裂し脳内出血を起こすタイプです。多くの場合、頭蓋内圧を下げるための手術が必要となり、同時に破れた血管を塞ぎ、血流の再配分を行うことで再出血リスクを低減します。
脳卒中後の障害
脳卒中後に現れる障害は多岐にわたり、リハビリで軽減・改善が可能です。感覚障害(痛覚・温度感覚・触覚の喪失)は、四肢の麻痺や排尿失禁、痛みを感じにくくなることでの外傷リスクにつながります。言語中枢が損傷すると、話す・聞く・理解する能力が低下し、失語症が生じます。思考過程が乱れ、複数ステップの作業が困難になることや、記憶障害も日常生活に支障を来すことがあります。
脳卒中リハビリテーション
リハビリは初期治療後できるだけ早く開始されます。片側の運動機能低下が一般的なため、できるだけ多くの動作や体位変換を促すことが重要です。
- 理学療法:筋力と運動機能の回復を目指し、ほぼ全ての患者が対象となります。
- 作業療法:身だしなみ、着替え、家事などの日常動作を再学習させます。
- 言語療法:話す・聞く・書く練習を通じてコミュニケーション能力を取り戻します。
軽度の患者は外来や在宅でのリハビリが適していますが、重度の場合は入院リハビリテーションが提供されます。入院リハビリは通常2〜3週間、外来や在宅リハビリは数か月から数年にわたって継続され、患者の回復度合いに応じて調整されます。
