甲状腺眼症(TED)とは?知っておきたいポイント
甲状腺眼症(TED)概要
甲状腺眼症(Thyroid Eye Disease、TED)は、自己免疫が原因で眼球や眼周囲組織に炎症が起こる疾患です。グレーブス病(バセドウ病)と同時に発症することが多く、適切に管理しないと視力低下や重度の眼症状を招く可能性があります。
主な症状
・眼球突出(突出眼):眼球が前方に出て見える。
・ドライアイ:涙液不足で不快感や炎症が起こる。
・光過敏(光嫌悪):明るい光に対する痛みや不快感。
・複視:眼筋の不整合により二重に見える。
・まぶたの後退:上まぶたが上がり、白目が露出しやすくなる。
・紅斑・腫脹:眼瞼や周囲組織が赤く腫れる。
・視力低下:重症例では視神経障害や角膜損傷で視力が低下することがある。
原因とメカニズム
甲状腺刺激ホルモン受容体(TSHR)に対する自己抗体が、眼筋や脂肪組織のTSHRに結合し、炎症と組織リモデリングを引き起こします。
リスク要因
・グレーブス病の既往
・女性に多い(男女比約3:1)
・家族歴がある場合
・喫煙(症状悪化の大きな要因)
診断
眼科医または内分泌科医が以下を総合的に評価します。
- 眼部視診・眼球運動検査
- 甲状腺機能検査(TSH、FT4)
- TSHR抗体測定
- CTまたはMRIで眼筋・脂肪組織の状態を画像診断
治療法
症状の重症度に応じて多岐にわたります。
- 抗炎症薬・ステロイドで炎症抑制
- 人工涙液や眼用ジェルでドライアイ対策
- プリズム眼鏡や眼筋手術で複視改善
- 甲状腺機能の調整(薬物療法・放射性ヨード)
- 重症例は眼窩減圧手術や眼筋再建術で眼球位置と視力を保護
予防と生活指導
完全に予防できる方法はありませんが、以下の対策でリスクを低減できます。
- グレーブス病の適切な管理
- 禁煙(喫煙は症状悪化の最大因子)
甲状腺眼症は眼科医と内分泌科医の連携が不可欠です。症状を感じたら早めに専門医を受診し、早期治療で重篤な合併症や視力低下を防ぎましょう。
