成人の尿逆流治療
尿逆流(膀胱尿管逆流)は、尿が腎臓から尿管、膀胱へと流れるはずの流れが逆転し、尿管や腎臓に逆流する状態です。通常は腎臓から尿が尿管を通って膀胱へ排出されますが、逆流は尿管の弁機能が不全になることで起こります。放置すると尿路感染症や高血圧、腎機能障害のリスクが高まります。
診断
尿逆流は小児に多く見られますが、成人でも発症することがあります。多くの場合、繰り返し起こる尿路感染症をきっかけに診断が下され、診断時にはすでに思春期や成人に達していることが少なくありません。治療方針を決めるためには、逆流の重症度を正確に評価する必要があります。軽度の場合は自然に改善することもありますが、中等度以上の症例では薬物療法または外科的治療が検討されます。
薬物療法
尿逆流患者は尿路感染症を繰り返しやすいため、まずは感染症の速やかな治療が重要です。感染が腎臓に波及すると重篤な合併症を招く恐れがあります。Bactrim、Septra、Primsol、Macrobid、Furadantin、Macrodantin などの抗生物質が使用され、再発予防のために低用量での長期投与が行われることもあります。
外科的治療
薬物療法で効果が不十分、または中等度・重度の逆流が認められる場合は手術が推奨されます。手術の目的は膀胱と尿管の接続部にある弁を修復し、逆流を防止することです。主に内視鏡手術と開腹手術の二つのアプローチがあります。
内視鏡手術(内視鏡的再建)
尿道から光源付きチューブを挿入し膀胱内を観察しながら、尿管開口部周囲にバルク剤(充填剤)を注入して弁機能を強化します。侵襲が少なく、全身麻酔または外来での処置が可能です。
開腹手術
全身麻酔下で下腹部に切開を加え、直接弁の欠損部を修復します。開腹手術は侵襲が大きく、出血、血栓、感染などのリスクが高まりますが、重度の逆流や内視鏡手術が適さないケースで選択されます。
まとめ
尿逆流が疑われる場合は、まず主治医に相談しましょう。症状の聞き取りとともに、膀胱・腎臓の超音波検査、特別X線(IVP)や核医学検査などを実施し、逆流の程度を評価します。その結果を基に、薬物療法か手術療法か、最適な治療法を医師と共に決定してください。
