歯の健康に役立つ薬用植物

数千年にわたり、薬用植物はさまざまな病気の予防・治療に利用されてきました。発展途上国では今でも主要な医療資源であり、歯科衛生でも重要な役割を果たしています。

歯科衛生の重要性

エンゾ・パロンボ博士(2009年、Evidence‑Based Complementary and Alternative Medicine)は、「口腔疾患は世界的に深刻な健康問題であり、先進国でも同様である」と指摘しています。糖尿病、心血管疾患、関節リウマチ、骨粗鬆症など、多くの全身疾患と口腔状態の悪化には強い関連があると報告しています。パロンボは、原始的な社会で使用されている植物成分から、現代医学がヒントを得られる可能性を示唆しています。

ナイジェリアの噛み棒(チューイングスティック)

2005年の< i>Journal of Contemporary Dental Practiceに掲載されたK.C. Ndukweらの研究では、ナイジェリアで口腔衛生に伝統的に使用されている17本の噛み棒と1種の果実の水抽出物を抗菌活性で検証しました。すべての抽出物が口腔内に一般的に存在する細菌に対し、一定の抑制効果を示しました。著者らは「これらの植物抽出物は口腔感染症の化学療法薬の候補になる」と結論付けています。

アジアで広く用いられる植物材料

中東やインド亜大陸で古くから利用されている2種の植物、Salvadora persica(ミスワク/アラク)とAzadirachta indica(ニーム)に関する研究が報告されています。1999年の< i>Indian Journal of Dental Researchの調査では、両植物の抽出物が口腔内常在菌に対し高い抗菌活性を示しました。さらに、2003年の< i>Oral Health & Preventive Dentistryの研究では、ミスワクを使用した口腔ケアが歯磨きに比べてプラークと歯肉炎の減少効果で優れていることが示されました。

中世・ルネサンス期の植物系処方

ヨーロッパでは中世からルネサンスにかけて、さまざまな植物を用いた口腔ケア製剤が考案されました。Jadwiga Zajaczkowaの論文によると、以下のような処方が記録されています。

  • ワインでうがいをした後、フェンネルやパセリをしっかり噛む。
  • 燃やしたローズマリーの灰を清潔なリネンで包み、歯にこする。
  • 等量のマジョラムとミントを混ぜたペーストを噛む。

まとめ

オーストラリア・ホーソーンのスウィンバーン大学で環境バイオテクノロジー・持続可能性の准教授を務めるエンゾ・パロンボは、数多くの植物抽出物を口腔細菌に対して検証しました。その結果、「植物抽出物、精油、純粋な植物化合物は、予防的あるいは治療的な口腔疾患対策として開発できる可能性が高い」という結論に至っています。

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