ビタミンDの過剰摂取がもたらすリスクとは?
ビタミンDは脂溶性ビタミンで、骨の健康維持やカルシウム吸収、細胞増殖の調整、免疫機能の向上、炎症抑制に欠かせません。主な供給源は、脂肪の多い魚や強化食品、日光浴、サプリメントの4つです。サプリメントの過剰摂取は稀ですが、過剰になると中毒を起こし、適切に治療すれば回復可能です。
摂取量の目安
体内のビタミンDの80〜90%は日光から得られますが、カナダや米国北部など日照時間が限られる地域ではサプリメントが必要になることがあります。65歳以上の高齢者は日光浴が少なく、皮膚での合成能力も低下するため、医師がサプリメントを処方することがあります。米国医学研究所(IOM)は、子どもから70歳までの人に対し1日600 IU、70歳以上の成人には1日800 IUの摂取を推奨しています。
過剰摂取の症状
ビタミンDの過剰は「ビタミンD過剰症(hypervitaminosis D)」を引き起こし、吐き気、嘔吐、食欲不振、便秘、筋力低下、頭痛、イライラ、骨痛などの症状が現れます。さらに血中カルシウム濃度が上昇し、血管や組織への石灰化を招き、心臓、血管、腎臓に長期的なダメージを与える恐れがあります。
リスク要因
1日あたり2000 IU以上のビタミンDを長期間摂取することは安全とは言えません。血中カルシウムの急上昇が起こり、前述の健康被害につながります。妊娠中の過剰摂取は胎児に悪影響を及ぼす可能性があるため特に注意が必要です。また、腎臓疾患、サルコイドーシス、ヒストプラズマ症、リンパ腫などの患者は過剰摂取による高カルシウム血症のリスクが高まります。チアジド系利尿薬と併用すると、過剰症のリスクがさらに増大します。
治療法
ビタミンD中毒が疑われる場合、医師はサプリメントの使用中止やカルシウム摂取の制限を指示します。症状が重度の場合は入院治療が必要になることもあります。
専門家からのアドバイス
医師の処方がない限り、ビタミンDを高用量で摂取しないことが基本です。ビタミンD欠乏症の治療などで高用量が必要な場合でも、必ず医療従事者の監督下で行うようにしてください。
