乳児の胃食道逆流(GERD)治療ガイド

胃食道逆流症(GERD)は、一般に「げっぷ」や「ミルクがこぼれる」と呼ばれ、乳児の約65%が何らかの時期に経験します。特に生後1〜4か月で頻度が高く、ほとんどは6〜12か月になると自然に改善します。症状が続く場合は、家庭でできる対策と医療機関での治療を組み合わせて対処しましょう。

家庭でできる対策

  • 授乳・ミルクの方法を見直す。

    1回の授乳量を少なめにし、回数を増やします。授乳中と授乳後少なくとも30分は赤ちゃんを抱っこし、背筋を伸ばした姿勢を保ちましょう。授乳中はテレビやスマートフォンなどの刺激を控え、静かな環境で行い、授乳の途中と終了後に必ずげっぷさせます。

    母乳の場合は、母親の食事で乳製品、炭酸飲料、トマト類、柑橘系、加工食品、高脂肪食品などが逆流を誘発しやすいことがあります。これらを控えて様子を見てください。人工ミルクの場合は、小児科医と相談の上、低アレルギータイプや分解タンパク質配合のミルクに変更すると効果が期待できます。

    ハーバル製剤やホームオパシー薬を使用する場合は、必ず小児科医に相談してください。

医療機関での治療

  • 症状が長引く場合は、胃酸分泌を抑える処方薬(プロトンポンプ阻害薬やH2受容体拮抗薬)や消化促進薬が検討されます。薬物療法でも改善しない場合は、外科的治療(胃食道逆流手術)を提案されることがあります。

予防策としての母乳育児

  • できるだけ長く母乳で育てることが逆流予防に有効です。母乳は胃への刺激が少なく、消化が速いため、ミルクよりも胃内滞留時間が短くなります。

    母乳が難しい場合は、たんぱく質が部分的に分解された「低刺激性」ミルクや、逆流対策用に設計されたミルクを選びましょう。

誤解と注意点

  • 「ミルクにシリアルを入れて濃くすれば逆流が減る」といった民間療法がありますが、最新の研究では効果がないどころか、食道刺激や窒息のリスクが高まることが分かっています。厚くしたミルクを飲んだ際に誤嚥すると、食道炎や窒息の危険がありますので避けてください。

支援と情報源

  • 逆流に悩む親は孤独感を抱きがちです。PAGER(Pediatric/Adolescent Gastroesophageal Reflux Association)などの団体が、最新の治療情報やニュースレター、サポートミーティングを提供しています。積極的に情報を集め、同じ経験を持つ親同士で交流すると安心感が得られます。

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