子どもの虐待

児童虐待は身体的、情緒的、言語的、性的な形態があり、放置も虐待の一種とみなされます。虐待を経験した子どもは不安やうつ、恐怖、過剰な感情反応、行動問題、自己価値感の低下、自己概念の歪み、骨折や性感染症、妊娠などの身体的問題を抱えることがあります。中には退行を示す子もいれば、逆に大人びた行動を取る子もいます。認知や情緒の発達が乱れ、将来にわたる混乱を招きます。

エリクソンの第3段階(イニシアティブ対罪)

エリクソンは、2歳から6歳までの早期児童期を「活発に展開する時期」と位置付け、自己イメージの自信や社会的スキル、道徳的良心が形成されると述べています。この段階で子どもは「イニシアティブvs罪悪感」の葛藤を解決しなければなりません。イニシアティブを獲得した子は目的意識を持ち、新しい課題に挑戦し、社会的な場面での有能感を得ます。成功体験を通じて協調性や善悪の概念を内面化し、道徳的自覚が芽生えます。

前段階の未解決がもたらす影響

エリクソンの理論では、各段階の解決が次の段階の土台となります。幼少期に信頼vs不信の段階が十分に解決されていないと、子どもは他者への基本的な信頼感を持てません。さらに自律vs恥と疑いの段階でも、虐待や放置に伴う過度な恥ずかしさが障壁となります。このように前段階が未解決のままでは、イニシアティブvs罪悪感の葛藤に取り組む基盤が欠如し、第三段階で深刻な困難を抱えることになります。

虐待がもたらす罪悪感

虐待を経験した子どもは、自己主導的なイニシアティブを発揮しにくく、罪悪感が支配的になることが多いです。加害者に帰すべき罪や恥を自分のものとして背負い、自己評価や他の発達領域に陰りが生じます。結果として、早期児童期に本来育むべき自信や社会的能力が阻害され、長期的な心理的問題へとつながります。