ニット(シラミ卵)に関する事実

ニットとは、ヒトの頭部に寄生するシラミ(Pediculus humanus capitis)が産む卵のことです。シラミの感染は「頭部シラミ症(ペディキュロシス)」と呼ばれ、髪の毛がある人なら誰でも感染の可能性があります。「汚れた髪の毛だけがシラミの温床」という言い伝えは誤りで、清潔な髪の毛でもシラミが直接接触すれば卵を産み付けます。

ニット除去の歴史

古代エジプトの祭司は、シラミやニット、幼虫が付いた場合、髪の毛を全て剃り落とすことが一般的でした。考古学者はミイラや古代のくしからニットの痕跡を発見し、当時のシラミは現代のものと同一種であることを確認しています。シラミは卵を髪の毛に接着する際、セメント状の物質を分泌しますが、酢などの酸性製品で除去しようとすると皮膚を傷める危険性があるため、医療従事者からは使用が警告されています。

市販されている「ニット除去用セメント溶解剤」は効果が証明されておらず、米連邦取引委員会(FTC)は虚偽広告で製造者を指摘しています。実際に有効なのは、細かい歯が密に並んだ「ニットコーム」を用いた機械的除去です。ただし、ニットは卵から幼虫、成虫へと短いサイクルで成長するため、コームだけでなくシラミ用ローションと併用し、継続的に処理する必要があります。

ニットのライフサイクル

シラミの生活史は主に3段階です。成虫のシラミが卵(ニット)を産み、ニットが孵化して幼虫(ニンフ)になり、さらに成虫へと成長します。ニットは直径約0.8mmの小さな楕円形で、白色または黄色を呈し、フケと見間違えることがあります。1つのニットが孵化するまでに1〜2週間、幼虫が成虫になるまでにさらに約1週間かかります。成虫の寿命はオスで約30日、メスは17〜22日で、メスは1日あたり約10個のニットを産み付けます。ニットはワックス状の外殻で保護され、上部に酸素供給用の小さな穴があります。幼虫は孵化後24時間以内に血液を吸わなければ生き残れません。

ニットに関する余談

家族は密接

シラミはニットを産んだ後、翼や跳躍能力は持ちません。移動は歩行のみで、1分間に約30cm(12インチ)歩くことができます。シラミは人間の血液しか吸わないため、卵は人の頭髪にしか付着しません。別の哺乳類に付く卵は別種です。子どもはコート掛けで上着を重ね掛けすることが多く、シラミがそこを歩き回って他の子へ移るため、集団での感染が起こりやすいです。感染が家庭内で広がりやすいのは、家族が同じ空間で生活しているからです。また、女児の方が男児に比べてシラミに感染しやすい傾向があります。

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