子どもの肝機能と肝疾患について
肝臓は成人だけの問題だと考えがちですが、実際には子どもにも肝疾患が頻繁に起こります。米国肝臓協会によると、毎年約15,000人の子どもが肝臓関連の病気で入院しています。肝臓は500以上の重要な機能を担う複雑な臓器で、成人と同様に子どもでも同じ疾患に罹患します。
肝臓の主な機能
- 食物から得たエネルギーの貯蔵と供給
- 血液中のタンパク質(血漿タンパク質)合成
- 有害物質や老廃物の解毒・除去
- 胆汁の産生(脂肪の消化を助ける)
血液供給
肝臓は体内の血液の約13%を保持しています。酸素豊富な血液が肝臓に供給され、一方で栄養分が豊富な血液は肝臓から全身へと送り出されます。
エネルギー代謝
血液中の栄養素は肝臓でさらに分解され、体の各組織へと配分されます。エネルギーはグリコーゲンとして蓄えられ、必要に応じて放出されます。また、血漿タンパク質の合成や血中細菌の除去も行われます。
肝障害の兆候と症状
- 黄疸(皮膚や眼球が黄色くなる)
- 尿が濃い色になる
- 吐き気、腹部の膨満感
これらは肝機能障害のサインです。簡易血液検査(肝機能パネル)で早期に診断できます。米国肝臓財団のデータによると、子ども全体の肝疾患の診断率は約2,500人に1人です。
子どもに多い肝疾患
成人と同じ原因で肝疾患が起こります。ボストン小児病院の報告では、毎週複数の子どもが肝疾患と診断されており、過体重、前糖尿病・糖尿病、高コレステロールが共通のリスク要因とされています。
胆道閉鎖症(Biliary Atresia)
稀な疾患ですが、2〜8週齢の乳児に胆管が未発達または閉塞することで起こります。胆汁が肝臓内に滞留すると、肝不全に至る可能性があります。シンシナティ小児病院の研究でも報告されています。
