女性の生殖に対する放射線の影響
放射線とは
放射線はX線装置、放射性同位体、放射線治療装置などから発生します。高エネルギー放射線はがん細胞を死滅させ、腫瘍を縮小させる目的で使用されます。外部ビーム放射線療法は体外から照射し、内部放射線療法は体内に放射性物質を置いて治療します。全身照射(全身放射線療法)は、放射性物質が血液や組織に取り込まれ、全身に放射線を届けます。
副作用
骨盤や大腿部、膀胱への外部ビーム照射では、鉛シールドが使用されることがありますが、散乱放射線が女性の生殖器に届く可能性があります。主な副作用は一時的または永久的な不妊です。放射線治療後に不妊でない女性が妊娠した場合、先天性異常のリスクは大きく上昇しないと報告されています。
遺伝的影響
放射線はDNAに変異を引き起こすことがあります。卵子や精子の遺伝子が損傷すると、胚系変異(遺伝性変異)となり、流産、死産、先天性欠損、早死、染色体異常、がんなどのリスクが高まります。
予防策
完全に放射線曝露を防ぐことは難しいですが、卵巣への直接照射が予想されるX線検査は、放射線科医と事前に曝露量を確認し、必要最小限の撮影に留めることが重要です。ほとんどの診断用X線は5 rad未満で、患者へのリスクは極めて低いです。
生殖能力の保存
がん治療や甲状腺機能亢進症の放射性ヨード治療を受ける女性は、治療前に生殖への影響を医師と十分に相談すべきです。卵子の採取と凍結保存は一つの選択肢ですが、個々の臨床状況に依存します。卵巣を側方に移動させ、放射線から保護する卵巣転位術もあります。特にホジキン病や婦人科悪性腫瘍で骨盤照射が必要な患者は、腹腔鏡下の卵巣転位が適応となることがあります。
