米国の医療制度

概要

米国の医療制度は、世界でも最先端の治療を受けられる反面、保険未加入者が多く、基本的な医療すら自己負担となるケースがあります。保険プランの細部を確認し、雇用を維持することで自己負担を抑えることは可能ですが、医療費の上昇と雇用形態の変化により、これがますます困難になっています。

制度の概要

米国はユニバーサルヘルスケアを提供しておらず、約85%の国民が何らかの形で健康保険に加入しています。多くは民間保険会社や政府が提供する保険でカバーされますが、患者が一定料金で医師にアクセスできる「ブティックメディシン」の人気も高まっています。保険に加入できない、または保険でカバーされない治療や医師を希望する人は、自己負担で支払う必要があります。

保険制度

米国人の半数以上が雇用主(本人・配偶者・親)の健康保険を通じて保険に加入しています。雇用主が保険料の一部を負担し、従業員は月額保険料を支払います。政府は高齢者、連邦職員、軍人・退役軍人、低所得者向けに医療保険を提供しています。個人で直接保険を購入することも可能ですが、費用は高額になる傾向があります。

保険プランの種類

主に二つの保険プランが存在します。ヘルス・マネジメント・オーガニゼーション(HMO)は保険料が低く、診療費も安く抑えられますが、すべての診療はまずかかりつけ医を受診し、必要に応じて同組織内の専門医への紹介が必要です。プリファード・プロバイダー・オーガニゼーション(PPO)は保険料が高めですが、紹介なしで専門医を受診できます。いずれのプランもネットワーク内の医師しかカバーされません。

課題

米国医療制度の最大の課題は「費用負担」です。雇用と保険が結びついているため、失業者や自営業者は医療費を支払うのが困難です。また、医療費の上昇により雇用主が従業員に保険を提供しづらくなり、パートタイムやフリーランスの雇用が増えて保険負担を回避しようとします。保険会社が支払いを遅らせるケースや、保険金の支払いが不十分なために診療を受けられない医師も増えています。さらに、保険でカバーされない処方薬の費用も大きな負担となっています。

医療研究

米国は医療研究の分野で世界をリードしています。多額の資金が医療イノベーションの開発に投入されており、主に営利目的の医療産業が資金提供の中心です。非営利財団や納税者が資金提供する国立衛生研究所(NIH)も重要な役割を果たしていますが、近年のNIH予算削減によりその影響は縮小しています。

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