1965年制定のメディケア法
米国では他の先進工業国と異なり、すべての国民に健康保険が提供されていません。そのため、議会は国民福祉の向上を目的にメディケア制度を設計しました。1965年にリンドン・B・ジョンソン大統領がメディケア法に署名し、法制化されました。メディケアは連邦政府が運営する保険制度で、65歳以上の高齢者と障害者に医療保険を提供します。資金は保険料と税収で賄われています。
メディケアの歴史的背景
メディケアが導入される前、65歳以上の米国人口のわずか56%しか健康保険に加入していませんでした。保険に加入していた人は、主に雇用主が提供する福利厚生として受け取っていました。ハリー・トルーマン大統領は1945年に全米対象の健康保険プランを提案し、ジョン・F・ケネディ大統領は高齢者向け保険の推進に努めました。1965年7月30日にメディケア法が成立し、トルーマン大統領に最初のメディケアカードが贈られました。その後、ジョージ・W・ブッシュ大統領は2003年に処方薬給付を加えることで制度を近代化し、バラク・オバマ大統領の下でも国民皆保険の議論が続いています。
メディケアの構成
現在のオリジナル・メディケアは、ジョンソン大統領が1965年に制定した構成と同様です。パートAは入院費用を、パートBは医療上必要な費用をカバーします。パートBは「医療保険」とも呼ばれます。近年では、パートC(メディケア・アドバンテージ)として他のパートの給付を組み合わせたプランや、パートDとして処方薬カバーが追加されています。
パートA(入院保険)
パートAは入院費用の一部を負担します。多くの受給者は勤務中に支払った税金により保険料が免除されますが、保険料が免除されない場合は月額保険料を支払って自発的に加入できます。この保険は病院、熟練看護施設、ホスピスでのケアを対象とし、長期介護は対象外ですが、特定の状況下で在宅医療費の一部をカバーすることがあります。また、パートAは米国の医療教育にも資金を提供しています。
パートB(医療保険)
パートBに加入するには月額保険料が必要です。医師の診療料や必要な医療サービスの費用の一部をカバーし、看護サービス、X線や血液検査といった診断検査、車椅子などの医療機器も対象です。近年では予防医療が拡充され、予防接種や大腸がん検診などもパートBでカバーされています。
