HSA(健康貯蓄口座)で購入できるものは?
HSAの基本
HSA(Health Savings Account)は、税制上優遇された医療費用口座です。税引き前の収入をこの口座に拠出し、医療費の支払いに使用します。口座内の残高や利息は非課税で、翌年以降へ繰り越すことができます。ただし、IRS(米国国税庁)の規則により、使用できる費用は「適格医療費」に限られます。
歴史
1999年から2009年にかけて医療費はインフレ率を上回って上昇し、保険料も高騰しました。政策立案者は、患者が自己負担額を増やすことで医療サービスを比較検討し、費用抑制につながると考えました。その結果、保険料が低く抑えられる代わりに自己負担額が高い「高額自己負担保険(HDHP)」が導入され、HDHP加入者が利用できるHSAが誕生しました。
利用制限
IRS Publication 969 が HSA の利用規則を定めています。主な制限は以下の通りです。
- OTC(店頭販売)医薬品の購入は原則禁止(65歳以上、失業保険受給者、COBRA適用者は例外)。
- 保険料の支払いは、受給者が65歳以上、失業保険受給中、またはCOBRA加入者でない限り不可。
- 本人と HSA 間の売買、貸付、サービス提供、資産の移転はすべて禁止。
- 医療目的以外の引き出しは「分配」とみなされ、課税対象となります。
メリット
適格医療費は IRS Publication 502 で広く定義されています。以下のような費用が対象となります。
- 鍼灸やカイロプラクティックなどの代替医療。
- 障害者用の住宅改修(例:車椅子用スロープ)。ただし、財産価値を上げる改修は注意が必要です。
- 救急車利用や医療搬送。
- アルコール依存症治療、臓器移植、特定の治療にかかるマイレージ。
注意点(罰則)
適格医療費以外に HSA 資金を使用すると「分配」とみなされ、所得税が課せられます。さらに、非適格支出には追加の罰則税が適用され、2011年時点では 20% の税が課されます。したがって、支出が適格かどうかを必ず確認しましょう。
