カナダの医療保険制度と主要法令

カナダの医療制度の歴史

1930年代の世界大恐慌期、カナダの生活費は25%下落しました。オンタリオ州の農村部では、1933年に医師への報酬として「鶏20羽、アヒル・ガチョウ・七面鳥、ジャガイモ、木材」などが支払われたとカナダ文明博物館が記録しています。第二次世界大戦後、ウィリアム・ライオン・マッケンジー・キング首相率いる自由党政権は社会福祉プログラムの整備を開始。1949年の世論調査では、月額負担で政府が資金提供する医療保険案に対し、80%が賛成しました。

重要な法令

1966年の医療保険法(Medical Care Act)は、支払能力に関わらずすべてのカナダ国民に医療サービスを提供することを目的としました。当時は社会主義や共産主義と批判されましたが、制度は徐々に定着しました。1977年には連邦・州間財政協定と既存プログラム資金提供法(Established Programs Financing Act)が施行され、各州へ医療と教育に使える一括資金が交付されました。

1984年カナダ健康保険法

1984年に制定されたカナダ健康保険法は、以下の5つの原則(公的管理、包括性、普遍性、携帯性、アクセス可能性)を定めています。

  • 保険は各州が非営利で運営し、すべての医療必要手続きをカバーします。
  • 「医療必要」とみなす範囲は州が定義しますが、支払い能力を理由に保険加入を拒否できません。
  • 携帯性:州を跨いで転居した場合でも、保険の継続が保証されます。
  • アクセス可能性:連邦政府は「私的診療」や「追加請求」を許す州に対し、移転支払金の支給を停止する権限を持ちます。

州ごとの保険制度

カナダの13州・準州それぞれが独自の健康保険法を持ち、連邦の基準に従って運用されています。医療費の約70%は連邦政府からの移転支払金で賄われ、残りは州の財源でまかなわれます。

例外とカバー範囲

連邦の保険制度(例:王立カナダ騎馬警察)に加入している人や、永住権取得者、帰国者などは州の保険の対象外となります。州の保険がカバーする主なサービスは、診療、入院、理学療法、歯科サービス、処方薬などです。一方、矯正レンズや一部の薬剤、在宅介護などは対象外であり、民間保険で補う必要があります。

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