高齢者向け医療保険の全体像と今後の課題
Medicare(メディケア)
Medicareは米国連邦政府が運営する医療保険で、65歳以上の高齢者を対象にしています。1965年に社会保障法の改正として創設され、社会保障と連動した単一支払者制度の一部として資金が供給されています。MedicareはパートAとパートBの2つの部門に分かれ、パートAは入院や在宅介護・看護サービスの基本的なカバーを提供し、パートBは医師診療や外来サービスを対象とします。受給者は月額保険料を支払う必要があります。
Medigap(メディギャップ)
Medicareがカバーしきれない医療費を埋め合わせるために、民間保険会社が提供する補足保険がMedigapです。MedigapはMedicareの「ギャップ」を埋める目的で設計されており、保険料は加入者が支払います。2006年時点で、Medigapに加入している受給者は全体の約18%にのぼります。
Medicaid(メディケイド)
Medicaidは低所得者向けの医療支援プログラムで、州と連邦政府が共同で資金を拠出し、主に州が運営しています。対象は高齢者だけでなく、低所得の成人、子ども、特定の障害を持つ人々も含まれます。高齢者の場合、特に介護施設に入居している方が利用するケースが多く、利用には資産をすべて使い切る(スピンドウン)必要があります。
長期介護保険(Long‑Term‑Care Insurance)
長期介護保険は医療保険とは別の制度ですが、高齢者の生活支援において重要な位置を占めます。主に日常生活の基本的な動作(入浴・着替え・食事・排泄など)を支援するための費用をカバーし、MedicareやMedicaidが対象外とする部分を補填します。保険料を支払える人が加入し、加入していない場合は資産をすべて使い切ってからMedicaidの対象になるリスクがあります。
今後の展望
ベビーブーマー世代の高齢化と医療費の上昇に伴い、MedicareとMedicaidへの財政的圧力は増大する見込みです。どの政党が議会を支配していても、これらのプログラムを削減することは政治的に極めて困難な課題となるでしょう。
