医療保険の歴史とその変遷

医療保険の起源

米国では1861年から1865年の南北戦争期に、保険会社が鉄道や蒸気船の事故に備える保険を販売し始めました。この初期の保険が、後にすべての疾病や負傷を対象とした包括的な医療保険へと発展していきました。

団体医療保険の誕生

1850年代後半、マサチューセッツ州ボストンの「Massachusetts Health Insurance of Boston」は、加入者に包括的な給付を提供する最初の団体医療保険を販売しました。その数年後、テキサス州ダラスの教師たちがベイラー病院と提携し、団体で宿泊・食事・医療サービスを受ける仕組みを作りました。これは実質的に、雇用主が提供する最初の団体医療保険とされています。

医療保険産業の拡大(1930〜1940年代)

1930年代から1940年代にかけて医療保険の需要が急増し、生命保険会社が医療保険商品を提供し始めました。同時期に、非営利団体であるブルークロス・ブルーシールドが誕生し、医師や病院と割引料金での契約を結び、迅速な支払いや安定した患者数を保証する仕組みを構築しました。

従業員福利厚生としての医療保険

第一次世界大戦中の賃金凍結政策により、企業は優秀な人材確保の手段として医療保険を福利厚生に組み込みました。労働組合も交渉を通じて、医療保険の加入を企業に求めるようになりました。

公的給付制度の創設

1965年に政府はメディケア(高齢者・障害者向け)とメディケイド(低所得者向け)という公的医療保険制度を創設しました。当時、医療費の75%は民間資金で賄われていましたが、制度導入後に医療費は急上昇。企業はコスト削減のため、従業員を低価格プランへ移行させたり、医療保険自体を福利厚生から外すケースが増えました。

1995年には医療費の約半分が民間企業や個人から支払われるようになり、2010年にオバマ大統領が署名した医療改革法(ACA)によって保険加入率の拡大が目指されましたが、医療費高騰の抑制は依然として課題です。

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