雇用主が提供する健康保険の選択肢
米国では多くの人が雇用主が提供する健康保険に加入しています。大企業は従業員に複数の保険プランを選ばせることが一般的ですが、中小企業は1つのプランしか提供しないことがあります。保険プランを選ぶ際は、自己負担額、受診できる医師や医療機関、そしてプランが提供する保障レベルを比較検討することが重要です。
PPO(Preferred Provider Organization)
PPOは「Preferred Provider Organization」の略で、ネットワーク内の医師や医療機関を利用すると割引が受けられる一方、ネットワーク外でも自由に受診できるプランです。米国の雇用主保険加入者の約6割がPPOを選んでおり、好きな医師や施設を選びつつ、ネットワーク内を利用すれば費用を抑えることができます。
HMO(Health Maintenance Organization)
HMOは「Health Maintenance Organization」の略で、事前に決められた医師・医療機関のリストから選択する必要があります。加入者はまずプライマリ・ケア医(主治医)に診てもらい、専門医の診察や特定のサービスを受ける際には主治医からの紹介状が必要です。米国では約2割の雇用主保険加入者がHMOを利用しており、ネットワーク内の医療費が比較的低く抑えられる点が特徴です。
自己負担型プラン(Self‑Funded Plans)
大企業が採用することが多い自己負担型プランは、保険会社に保険料を支払う代わりに、企業自らが医療費の支払いリスクを負います。保険の運営コストが低減できるため、雇用主と従業員の両方にとって保険料が安くなる傾向があります。ただし、リスクが企業側にあるため、保険の内容やカバー範囲は企業の方針次第です。
高額自己負担プラン(High Deductible Plans)
高額自己負担プランは、毎月の保険料が低く設定されている代わりに、一定額(数千ドル規模)の自己負担金(デダクティブル)を支払うまで医療費の全額を自己負担します。デダクティブルが満了すると、保険が適用されます。このプランは健康貯蓄口座(HSA)と組み合わせて利用されることが多く、雇用主がHSAへ拠出する場合もあります。医師の受診回数や生涯保障額に上限が設けられることもあります。
COBRA(Consolidated Omnibus Budget Reconciliation Act)
従業員が退職・解雇・レイオフなどで雇用が終了した場合でも、1985年制定のCOBRAに基づき、同じ健康保険を最大18か月間継続できる権利があります。COBRA利用時は、従業員が保険料全額(従業員負担分+雇用主負担分)を支払う必要がありますが、在職中と同等の保障が受けられます。
