子どものシクロチミック双極性障害
定義
シクロチミック双極性障害は、軽度のうつ状態と軽度のハイポマニア(軽い躁)エピソードが交互に現れる、持続的で不安定な気分状態です。診断には、症状が少なくとも1年間続き、他の精神疾患で説明できないことが条件です。子どもがこの障害と診断された場合、将来的に完全な躁エピソードや大うつ病エピソードが現れ、双極性障害Ⅰ型またはⅡ型へと診断が変更されることがあります。
子どもの気分エピソード
軽度の気分変動は、典型的な発達段階の行動(例:2歳児の癇癪や思春期の情緒不安定)と区別が難しいです。子どもの双極性障害では、気分の変動が「速いサイクル」で起こりやすく、1日で何度もうつとハイポマニアが交互に現れることがあります。混合エピソード(同時にうつと躁が現れる)も見られ、シクロチミック障害ではそれらが軽度であるため、さらに診断が困難です。
行動症状
気分が不安定な子どもは、イライラしやすく、衝動的で、癇癪や反抗的な行動を示すことが多いです。過度の多動や反抗は、単なる活動過多や叱責に対する反応とは異なり、状況に見合わない感情や行動が続き、自己制御が困難です。問題行動かどうかは、症状の重症度・持続性・自己抑制能力で判断します。
気分症状
うつエピソードでは、悲しみや倦怠感、ややイライラが見られ、友人からの誘いを断ることが増えます。また、些細なことに過度に苛立ちやすくなります。ハイポマニアでは、エネルギーが増し多動になり、睡眠時間が短くても問題なく、自己評価が過大になることがあります。意外にも、この軽度の躁状態のときは学業成績が向上することもあります。
記録の取り方
診断には長期にわたる行動観察が必要なため、保護者は子どもの気分、行動、変化に影響した出来事を日々記録するとよいでしょう。記録には、学校での様子、社交活動の変化、体調や服薬状況、繰り返し行動や癇癪の頻度なども含めます。これにより、子どもの気分や行動が日常生活に支障をきたす際に、医師への情報提供がスムーズになります。
