双極性障害NOS(Not Otherwise Specified)とは何か?
定義
双極性障害NOS(Not Otherwise Specified)は、双極性障害スペクトラム(双極性障害Ⅰ型、Ⅱ型、シクロチミア)に含まれる診断で、Ⅰ型・Ⅱ型・シクロチミアの診断基準を満たさないものの、躁状態と抑うつ状態の症状が見られる場合に付けられます。俗に「躁うつ病」や「閾値未満の双極性障害」と呼ばれることもあります。多くは思春期から成人初期に発症し、稀に小児期に現れることもあります。
主な症状
以下のような症状が見られると双極性障害NOSと診断されます。
- 躁エピソードと抑うつエピソードが極めて速く交代する(急速サイクリング)
- 躁または軽躁エピソードが繰り返され、抑うつエピソードがほとんど見られない
- 診断対象者の半数以上が、精神病性障害NOS、妄想性障害、残存統合失調症など他の精神疾患を併発している
歴史的背景
双極性障害の概念は古代ギリシャにまで遡ります。1025年にペルシャの医学者アヴィセンナは『医学の大要』で「躁うつ精神病」と記述。19世紀後半、ドイツ精神医学者エミール・クレーペリンが疾患分類を体系化し、1957年にカール・レオンハルトが「双極性」「単極性」という用語を導入しました。
誤解と偏見
双極性障害NOSに対しては、感染する、危険であるといった根拠のない誤解が残っています。実際には伝染性はなく、適切な治療を受ければ日常生活も可能です。偏見に直面した際は、穏やかに事実を伝え、正しい知識で啓発することが重要です。
治療法
治療は個々の症状や重症度に応じて選択されます。主に薬物療法が中心で、気分安定薬、抗精神病薬、抗うつ薬などが用いられます。加えて、認知行動療法、家族療法、精神教育などの心理社会的アプローチが併用され、トリガーの認識や対処スキルの向上を図ります。
