出生前の栄養不足と低IQ

IQ(知能指数)は、学習や理解能力を測る指標です。教育現場では、IQテストを用いて障害のある児童や才能のある児童の学習ニーズを把握します。妊娠中の栄養状態は、子どもの将来のIQに大きく影響します。母体がバランスの取れた食事を摂ることは、胎児の脳発達を守る上で極めて重要です。

IQの測定と分類

IQは、精神年齢を実年齢で割り、100を掛けて算出します。IQスコアに基づく知的障害の区分は次のとおりです。

  • 50〜69:軽度(学習可能)
  • 35〜49:中等度(訓練可能)
  • 20〜24:重度
  • 20未満:深刻
  • 平均は91〜110

栄養失調の指標

胎児の脳発達にはたんぱく質と脂質が不可欠です。胎児の栄養状態は、体重と身長の比率で評価され、低出生体重児は栄養不足のサインが多く見られます。

短期的な栄養失調の影響

1975年にSmithらが実施した研究では、戦時飢饉下で妊娠中に短期間だけ栄養が不足した40万人以上の十代男子を追跡しました。その結果、短期的な胎児の栄養失調は子どもの長期的なIQに影響を与えないことが示されました。

長期的な栄養失調の影響

複数の研究は、妊娠期間全体またはそれ以降にわたる慢性的な栄養不足が子どものIQを著しく低下させることを明らかにしています。Rush・Stein・Susser・Brodyらの実験では、低体重児のリスクがある妊婦を3つのグループに分け、異なる栄養補給を行いました。高たんぱく質のサプリメントを受けた母親の子どもは、生後1歳で実施したIQ関連課題のスコアが有意に高くなりました。

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