高齢者の認知機能を刺激する活動
認知とは、脳が思考・知覚・認識を処理し、学習・記憶・問題解決を行う働きです。加齢に伴い、認知機能は認知症やアルツハイマー病などの疾患で低下しやすくなります。フランクリン研究所によれば、精神的・身体的な刺激は脳機能を向上させ、認知低下を防ぐ効果があるとされています。
メンタルエクササイズ(精神的トレーニング)
身体を動かすことで血流が増し、心身ともに健康になることは広く知られていますが、実は「考える」だけでも筋肉を強化できることが研究で示されています。クレーブランド・クリニックの研究では、参加者30名が指の小指の筋肉をイメージしてトレーニングを行い、12週間後に筋力が35%向上しました。同時に前頭前皮質の活動が高まっていることが脳スキャンで確認され、脳から筋肉への信号伝達が改善されたと結論付けられました。
身体的エクササイズ
ケベック州サント=フォワのラヴァル大学が実施した5年にわたる研究では、定期的な身体運動がアルツハイマー病の発症リスクを約50%低減させることが分かりました。特に週3回以上の強度の高い運動を行うグループで最も効果が顕著で、軽い運動でも認知機能の低下リスクを有意に減少させることが報告されています。
コミュニケーション・グループ
同年代の仲間や介護施設の入居者同士で行う会話や活動は、認知機能と表出能力を高めます。スタッフのボランティアが日々のテーマを設定し、長期記憶を刺激する質問を投げかける形で進めます。
たとえば「私のスーツケースに入れるもの」という短期記憶ゲームでは、リーダーが「ハワイ旅行の準備で、まず何を入れるか…」と文を始め、順番に参加者が前の文を復唱しつつ新しい荷物を加えていきます。繰り返しと追加を続けることで、記憶保持と即興表現力が鍛えられます。
