症状
初期認知症が現れると、まず短期記憶の低下が見られます。鍵や靴の置き場所を忘れたり、今何をしているかすぐに思い出せなくなることがあります。次に集中力が低下し、テレビのチャンネルを次々に変える、数分以上座っていられないなどの行動が増えます。その他、気分の変動、うつ、イライラ、被害妄想、日常生活の遂行困難、言語障害、排泄コントロールの喪失なども報告されています。
リスク要因
コントロールできない要因は家族歴や年齢です。一方、生活習慣によっては予防可能な要因もあります。過度の飲酒、バランスの悪い食事や運動不足による動脈硬化、血圧異常(高血圧・低血圧)、高コレステロール、糖尿病、うつ、エストロゲン過剰、ビタミンB群の代謝障害、喫煙などがリスクとして挙げられます。
診断
診断は主に症状の評価に基づきます。身体検査、患者本人と家族の病歴聴取が重要です。精神科的評価、血液検査、MRI などで他疾患を除外し、確定診断を行います。また、家族や友人へのインタビューにより、日常の変化や行動パターンを把握します。
治療
治療の目的は障害の進行を遅らせ、生活の質を向上させることです。薬物療法に加えて、認知リハビリテーション、行動療法、理学療法が組み合わされます。薬は脳の神経伝達物質の変化を抑制し、認知機能の維持を助けます。認知療法は会話や記憶の維持を支援し、行動療法は気分の変動や心理的問題のコントロールを目指します。理学療法は歩行や日常動作の維持に役立ちます。
合併症
適切なケアが不足すると、衛生状態の悪化、情緒不安定、薬の服用ミス、栄養不良、せん妄、コミュニケーション障害、睡眠障害、転倒などの合併症が起こりやすくなります。家族や介護者による定期的な観察と支援が予防に重要です。
