多発性認知症(MID)の原因・症状・診断・治療と生活のポイント

加齢に伴う忘れや行動変化は必ずしも「普通」の老化サインとは限りません。誰でも時々忘れることはありますが、頻度や程度が高い場合は注意が必要です。高血圧や糖尿病、心臓病などの治療薬の過剰摂取、栄養バランスの悪い食事、睡眠不足も忘れや気分の変化を引き起こします。これらの要因を除外しても症状が続く場合、脳細胞が損傷し脳機能が変化する認知症の可能性があります。高齢者で最も一般的なのはアルツハイマー病ですが、次に多いのが血管性認知症で、その中でも多発性認知症(MID)が主な形態です。MIDは主に60歳から75歳頃に発症し、男性に多く見られます。

多発性認知症の原因

  • 多発性認知症は、複数回の脳卒中、特に症状が出にくい「サイレント卒中」や小さな脳梗塞が蓄積することで発症します。血栓やプラークが血管を閉塞したり、血管が破裂したりすることが原因です。高血圧、コレステロール値の上昇、糖尿病、心疾患などがリスク要因となります。

多発性認知症の症状

  • サイレント卒中のダメージは軽微ですが、蓄積すると急に認知症状が現れます。最近の出来事が思い出せない、見慣れた場所が分からず迷子になる、歩行が不安定になる、排尿・排便のコントロールができなくなる、金銭計算が困難になるといった症状が見られます。また、場違いに笑ったり泣いたりすることがありますが、基本的な性格は変わりません。指示や道順を理解するのが難しくなることもあります。

診断方法

  • 医師は患者の生活歴や最近のストレス要因を聞き取り、脳卒中や高血圧の既往がある場合はCT(コンピュータ断層撮影)やMRI(磁気共鳴画像)で脳の画像検査を行います。腫瘍や卒中痕跡、他の脳損傷の有無を確認しますが、アルツハイマー病と外観が似ているため診断は難しいことがあります。両方の疾患が同時に存在するケースもあります。

治療と予防

  • 現在、脳損傷を元に戻す治療法はありませんが、再発防止が最重要です。生活習慣の改善(定期的な運動、バランスの取れた食事、適正体重の維持、ストレス管理、禁煙、適度な飲酒)により脳卒中リスクを低減します。MIDと診断された患者には、血圧や心疾患など卒中の原因となる疾患を適切に管理する治療が行われます。

多発性認知症と共に暮らすコツ

  • 毎日のルーティンを作り、脳を「運動」させることで記憶を強化し新しい神経回路を形成します。社会活動や趣味、学習を積極的に取り入れ、リストやチェックリスト、カレンダーで予定を管理しましょう。服薬や重要な時間はアラームで通知し、必要に応じて看護師やセラピスト、家族の支援を受けます。医師に相談してサポートグループに参加することも有効です。

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