条件付けと行動の変容
日常の行動は、原因と結果の経験が繰り返されて形成されます。これは行動心理学の中心的テーマです。条件付けと行動修正は、望ましい行動を育成・維持し、望ましくない行動を排除する点で、同じコインの裏表のような関係にあります。
識別(Identification)
行動療法の実務者は、条件付けと行動修正の技法を用いて、恐怖症・不安障害・強迫性障害・ADHD などのさまざまな人格・行動障害を治療します。また、子どもが学校や家庭でより効果的に機能できるよう支援することもあります。治療の基本は、望ましくない行動を特定し、それを望ましい行動に置き換えるか、望ましくない行動を維持する強化因子を除去することです。
オペラント条件付け(Operant Conditioning)
オペラント条件付けは、行動修正技法の土台となる理論です。1938 年に米国の心理学者 B.F. スキナーが提唱し、行動の形成と消去の手法を示しました。スキナーは『行動の構造(The Behavior of Organisms)』で、強化モデルを用いて人間と動物の行動変容を実証しました。
正の強化(Positive Reinforcement)
正の強化は、望ましい新しい行動を促すために報酬システムを設定する手法です。たとえば、子どもが「お願いします」と言ったときに抱擁や小さなご褒美を与えることが挙げられます。治療者はクライアントと合意した報酬体系を契約書の形で取り決めることもあります。
負の強化(Negative Reinforcement)
負の強化は、望ましくない行動が起こったときに不快な刺激を与えることで、その行動を抑制しようとする手法です。例として、過食を防ぐために冷蔵庫に自分の太った姿の写真を貼り付けるといった方法が考えられます。
消去(Extinction)
消去は、強化を用いずに期待される反応を継続的に取り除くことで、行動が自然に減少・消失するプロセスです。特定の行動が他者や環境からの肯定的な反応を得ている場合、その反応を止めることで行動は徐々に消えていきます。
