化学的不均衡理論の概要と批判
脳や神経は化学反応に依存しているため、うつ病や不安発作、注意欠陥障害、統合失調症といった「ミスファイア」も化学的な原因があるのではないかという仮説が広く唱えられています。
歴史
化学的不均衡理論は1950年代に初めて提唱されましたが、古代ギリシャの医師たちもすでに「体液」の不均衡(土・粘液・エーテル・火)について述べていました。
神経伝達物質
神経伝達物質は神経経路に沿って情報を伝える化学物質です。たとえば、火傷した指の痛みを感知し、指を引っ込める指令を送る役割を担います。特定の神経伝達物質は感情や気分の調節に関与しています。
ノルエピネフリン
初期の化学的不均衡説では、うつ病はノルエピネフリンという神経伝達物質の活性が低下していることが原因とされました。
セロトニン
近年のうつ病理論は、セロトニンの伝達が不足していることに焦点を当てています。そのため、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)であるフルオキセチン(プロザック)などがセロトニンの伝達を「活性化」させます。
議論
化学的不均衡理論はメディアで広く受け入れられていますが、統合失調症の説明に役立つ一方で、うつ病や不安は外傷後ストレス障害(PTSD)や環境・行動要因など、状況的な原因も大きく関与します。薬物療法で症状は緩和されても、根本的な状況的要因は解決されません。
