炭酸リチウム過剰摂取の症状と注意点
概要
炭酸リチウムは双極性障害(旧称:躁うつ病)の治療に用いられる処方薬です。カプセル、錠剤、シロップの形で提供され、気分の変動を安定させる働きがあります。
作用機序
リチウムは塩類で、神経細胞や筋肉細胞のナトリウム代謝に影響を与え、躁状態を引き起こす脳内化学物質のバランスを調整します。その結果、躁状態では薬の耐性が高く、うつ状態では過量摂取のリスクが高まります。また、体内の塩分再吸収やカリウム濃度にも影響し、過剰投与はナトリウム欠乏(下痢、発汗、発熱)を招くことがあります。
血中濃度と副作用
炭酸リチウムは血中濃度が治療範囲と中毒範囲の間に位置しており、定期的な血液検査が必須です。中毒症状は腎臓や中枢神経系の機能障害に起因します。
過剰摂取時の主な症状
- 食欲不振、倦怠感、混乱、言語障害(構音障害)
- 重症例では昏睡や死亡
- 腎機能障害による腎性尿崩症:多尿・頻尿・強い渇き
- 中枢神経系の影響:睡眠障害、めまい、手の震え、心拍数変動
注意点と対策
体内の水分バランスに影響を与えるため、激しい運動時は過度な汗による脱水を防ぐために十分な水分補給が必要です。また、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)—例:ナプロキセン、イブプロフェン、インドメタシン—はリチウムの排泄を阻害し、血中濃度を上昇させるため併用を避けてください。
