行動修正の手法
「年を取っても新しいことは学べない」という格言は、犬だけでなく人間にも当てはまります。古い習慣を断ち切り、新しい行動を身につけるのは、年齢に関係なく挑戦です。行動修正の手法は、必要なステップを整理し、習慣化をサポートすることで、新しい行動の学習を容易にします。
1. 認識 (Identification)
行動修正は、正・負の強化を用いて新しい行動や習慣を形成する方法です。その理論は、20世紀中頃に米国の行動主義者 B.F.スキナーが提唱したオペラント条件付けに基づいています。現在の行動主義理論の土台となっており、行動修正療法は不安障害、ADHD、強迫性障害など様々な精神疾患の治療に応用されています。
2. 行動の形成 (Shaping Behaviors)
新しい行動や習慣を身につける過程は、古い行動を徐々に置き換えていく学習プロセスです。小さな変化を継続的に行い、その都度報酬(正の強化)を与えることで、行動が段階的に形作られます。報酬は動機付けを高め、目標達成への意欲を促進します。
3. 行動変容プロセス (Behavior Change Process)
行動変容は、トランスセオリティカル・モデル(段階的変化モデル)で示される5段階のプロセスとして捉えられます。
① 前熟考期(Pre‑contemplation)
② 熟考期(Contemplation)
③ 準備期(Preparation)
④ 行動期(Action)
⑤ 維持期(Maintenance)
個人の決意の強さにより、段階を飛び越えて行動期に直行することもあれば、各段階に時間をかけて進むこともあります。
4. 再発防止法 (Relapse Prevention Method)
古い習慣が根付くと、行動変容は困難になります。再発しやすいシチュエーションや弱点を事前に予測し、対策を立てておくことが重要です。この「再発防止モデル」は、従来の行動修正手法と併用して、古い習慣の除去を支援します。
5. 行動制御 (Behavioral Control)
合理的行動理論は、個人の意図が変化の鍵になると考えます。自己期待や他者からの期待が高まるほど、変化への疑念が減り、行動制御感が向上します。期待が高いほど、実際に変化を起こす可能性が高まります。
