ホームレスが直面する健康リスクとは
2007年、米国はリセッションの始まりに直面し、National Alliance to End Homelessnessの報告によれば、約150万人がホームレスとなりました。雇用機会の減少と生活費の上昇が、家族や単身者を車中泊や公共シェルター、テント都市へと追い込みました。住居を失うだけでなく、ホームレスは適切な医療が受けられないことから、さまざまな健康問題に直面し、治療が遅れると命に関わります。
精神疾患
National Coalition for the Homeless(2009年)の調査では、ホームレスの20〜25%が重度の精神疾患と診断されています。精神疾患はホームレスの主要因の一つで、三番目に多い原因です。精神疾患が直ちに路上生活を招くわけではありませんが、日常的な自己管理や家事、社会的責任を果たす能力が低下し、結果として住居を失い、身体的健康も悪化しやすくなります。
薬物乱用・依存症
ホームレスと薬物乱用やアルコール依存症には相関関係がありますが、使用が直接的にホームレスになる原因とは証明されていません。ただし、一度依存症に陥ると、治療費が高額で保険に加入できないため、適切な支援を受けることが難しくなります。
肺炎
肺炎は肺に細菌やウイルスが感染する呼吸器疾患です。衛生環境の悪い寝具や食器、表面に触れることで感染リスクが高まります。ホームレスは不衛生な環境で生活するため、肺炎にかかりやすく、保険未加入や医療費負担の問題で適切な治療を受けられないことが多いです。適切な抗生物質治療で約2週間で回復しますが、治療が遅れると他の合併症を招き、致命的になる可能性があります。
皮膚感染症
疥癬(かいせん)や体虱(しん)などの皮膚感染症は、密集した寝具や衛生設備の不足により容易に広がります。共同生活や入浴設備の欠如により、感染が拡大し、かゆみや二次感染を引き起こします。公共シェルターは衛生管理や予防接種に努めていますが、根本的な生活環境の改善が難しいため、完全に抑制するのは困難です。
まとめ
ホームレスは精神的・身体的な健康リスクが重なり合い、適切な医療や支援が受けられない状況にあります。社会全体での支援体制の強化と、衛生的な居住環境の提供が急務です。
