米陸軍のフォース・プロテクション訓練

近年、フォース・プロテクション(部隊防護)訓練は大きく変化しています。従来は海外基地や駐留部隊に焦点が当てられていましたが、9/11以降は米国内の基地や人員も対象となりました。フォース・プロテクションには「抑止」「予防」「能動的防衛」「受動的防衛」「緩和」の5つの形態があり、状況に応じて単独または組み合わせて活用します。

抑止 (Deterrence)

  • 高度に訓練され装備された部隊が常に配備されている姿勢は、敵に対する最大の抑止力となります。
  • ランダムな対テロ活動(例:巡回ルートの変更、身分確認ポイントの設置、部隊規模を誇張した演出)により、攻撃者の意欲を削ぎます。
  • 訓練項目: 偽造身分証の識別、車両の爆発物検査、常時警戒姿勢の維持。

予防 (Prevention)

  • 潜在的脅威を「中和・先制・確率低減」させることを目的とします。
  • 情報収集・分析に基づき、保護部隊全体へ共有し、速やかに対策を講じることで攻撃を未然に防ぎます。
  • 訓練項目: 市民へのテロ活動に関する質問技術、脅威情報の迅速な報告手順。

能動的防衛 (Active Security)

  • 脅威の「検知・阻止・回避・妨害・中和・排除」を目的とした活動です。
  • パトロールで敵の痕跡を探し、得られた情報は保護計画に活用されます。
  • 車列警護や施設警備部隊は、実際に脅威が発生した際に即座に対応します。
  • 訓練項目: 小隊戦術・パトロール、敵役部隊(OPFOR)による模擬攻撃とそれへの対処。

受動的防衛 (Passive Defense)

  • 固定バリケードや地形を利用して施設と人員を守ります。
  • 土嚢、砂袋、コンクリート壁、バリケード、偽装・煙幕などが典型的な手段です。
  • 訓練項目: 自然地形の防御利用、装備の偽装技術、戦闘工兵と連携した障害物・塹壕の構築。

緩和 (Mitigation)

  • 攻撃の被害を最小限に抑えることを目的とします。
  • 負傷者の迅速な救護・搬送、損傷した防御施設の復旧、部隊の再配置を訓練します。
  • 訓練項目: 敵役部隊による模擬攻撃、負傷者応急処置、攻撃後の指揮統制手順。

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