HACCP(ハサップ)とは何か
食中毒や食材汚染を防ぐには、E.coliやサルモネラなどの危険物質が食品に混入しないようにすることが不可欠です。そのために導入されている管理手法がHACCP(ハサップ)です。HACCPは詳細な工程分析を要しますが、実施すれば食品供給網全体の安全性が大幅に向上します。
HACCPの定義
HACCPは「Hazard Analysis and Critical Control Points(危害要因分析および重要管理点)」の頭文字を取った名称で、食品業界におけるリスク管理システムです。化学的・生物的・物理的な危害が最終製品に到達しないよう、製造工程の中で「重要管理点(CCP)」を設定し、そこでの対策で危害の発生確率を低減します。食品だけでなく医薬品や、米国FDA・USDAが管轄するジュース・シーフード・家禽・肉製品でも採用されています。
HACCPの歴史
HACCPの原型は第二次世界大戦中に遡ります。砲弾が爆発しない原因を探った軍は、製造段階で危害を特定する手法を開発しました。その後、NASAが宇宙飛行士の食料供給の安全性確保のため、ピルズベリー社に食料製造基準の策定を依頼したことが、民間食品への応用のきっかけとなりました。米国食品微生物学諮問委員会が7つの原則をまとめ、現在のHACCP体系が確立されました。
HACCPの7原則
- 危害要因の分析
- 重要管理点(CCP)の設定
- 各CCPの臨界限界の決定
- CCPの監視方法の確立
- 異常時の是正措置
- 記録保持と文書化
- システムの妥当性確認(検証と検証)
これらの原則を順守することで、製造現場は危機的事態を未然に防ぎ、継続的に安全性を保証できます。
義務化されたプログラム
1990年代半ばまで、HACCPは任意の安全管理手法として扱われていましたが、2000年以降は規模に関係なくすべての食品製造業者に対し、HACCPに基づく食品安全プログラムの導入が義務付けられました。米国FDAはHACCPを食品安全向上の枠組みと位置付け、性能基準と組み合わせて病原体リスクの低減を図ります。連邦検査の際にHACCPの適用状況が確認されます。
International HACCP Alliance(国際HACCPアライアンス)
1994年にテキサス州カレッジステーションで設立されたInternational HACCP Allianceは、食品業界におけるHACCPの普及と標準化を推進しています。近年は小規模・超小規模事業者向けに、HACCP導入支援セミナーや実務マニュアルの提供を行い、情報・文書・最新動向のハブとして機能しています。
