FDA の検査種別と実施内容
米国保健福祉省(U.S. Department of Health and Human Services)に属する食品医薬品局(FDA)は、食品、医薬品、化粧品、タバコ、バイオロジー・放射性製品、医療機器の安全性を確保するために検査を行っています。検査は大きく「食品検査」「医薬品検査」「チーム検査・単独検査」の4つに分類されます。
食品検査
食品・医薬品・化粧品法(Food, Drug, and Cosmetic Act)に基づき、FDA の昆虫学者、化学者、衛生管理者、食品微生物学者が食品製造施設を巡回し、消費に適さない食品が市場に出回らないよう監視します。農薬や工業用化学物質で処理された食品、違法に着色・添加された食品、汚染や腐敗が進行した食品は安全でないと判断されます。
また、製造工程で使用される水や接触面に関しては、FDA の「適正製造基準(Good Manufacturing Practices)」に従うことが求められます。検査官は水が再利用されていないか、以下の病原体が含まれていないかを確認します。
Escherichia coli、Salmonella、Vibrio cholerae、Shigella、Cryptosporidium parvum、Giardia lamblia、Cyclospora cayetanensis、Toxoplasma gondii、ノルウォークウイルス、A型肝炎ウイルス など。
さらに、食材を扱う表面が適切に殺菌され、食中毒菌の繁殖を防止できるかどうかもチェックします。
医薬品検査
FDA は医薬品製造ラボを対象に、製品の安全性を確保するための検査を実施します。主なチェック項目は、原料の受領・サンプリング・ロット管理手順、受領・保管エリアの実態、書面での手順と実際の作業の整合性です。また、特定ロットの薬剤を抽出し、試験データを詳細にレビューします。
検査官は製造装置の校正・滅菌状態を確認し、薬剤の安定性試験プログラム(有効期限の設定根拠)や、従業員が業務に必要な研修を受けているかも評価します。
チーム検査・単独検査
FDA の検査は、分析官、調査官、微生物学者、化学者、コンプライアンス担当者などからなるチームで実施されることが多いです。チーム検査では、リード調査官が全体を統括し、分析官が「調査業務マニュアル(Investigations Operations Manual)」に基づき観察結果を記録します。最終報告書は分析官が作成し、リード調査官が文体や内容を修正する権限を持ちます。
場合によっては、分析官が単独でリード調査官を務めることもあります。その際は、同マニュアルに従い調査を行い、違反が認められた場合は地区事務所のマネージャーと相談し、罰則や是正計画について指示を受けます。
