安全飲料水法(Safe Drinking Water Act)
規定
安全飲料水法は、米国のすべての公共給水システム(約17万件)に対し、汚染物質の許容基準を全国レベルで定めています。州は自州内の飲料水源を調査し、問題があれば是正する主な責任を負います。
EPAは、各州に対し水源の汚染状況と健康影響を年次報告書で公表することを義務付けています。また、連邦政府は「飲料水州回転基金(Drinking Water State Revolving Fund)」を通じて、2010年には約14億ドルを供出し、必要な修理や設備更新を支援しています。
禁止事項
1986年の改正で、鉛を含む配管部品、はんだ、フラックスの使用が禁止されました(公共・住宅用水道システムに限る)。ただし、鋳鉄管の修理に必要な鉛ジョイントは例外とされています。
1996年の改正では、商業施設における鉛製配管部品やはんだ・フラックスの使用が全面的に違法となりました。製造や工業プロセスでの使用は許可されていますが、配管作業における販売・使用は禁じられます。
汚染物質
EPAは約100種の汚染物質をリスト化し、州に監視を義務付けています。安全飲料水法は、微生物、消毒剤、消毒副生成物、無機化学物質、有機化学物質、放射性核種の6つのカテゴリに分け、許容濃度、健康リスク、発生源を規定しています。
罰則
州が法定基準に従わない場合、EPAは命令を発出し、30日以内の是正を求めます。是正がなければ、米連邦地区裁判所に訴え、最大25,000ドルの罰金や是正措置を命じることができます。
特定の違反に対しては追加の罰則があります。例えば、州が鉛配管の禁止を実施しない場合、飲料水州回転基金から最大5%の助成金が差し止められます。
歴史
1974年、米国の飲料水品質に関する報道が相次いだことを受け、政府は全米80か所の水系を調査し、議会とジェラルド・フォード大統領が安全飲料水法を制定しました。
1986年の改正で法の適用範囲と資金が拡大し、規制が強化され罰則が厳格化されました。1996年の改正は「知る権利」を重視し、州が年次報告書を一般市民に容易に提供する義務を追加しました。
