アスベストの特性とリスク
アスベストはシリケート系の繊維状鉱物で、主に変成岩や火成岩に自然に存在します。断熱材、接着剤、繊維製品、セメント配管・外壁など幅広い材料に使用されてきましたが、破砕されて微細な繊維が空気中に放出されると、吸入した人の健康に深刻な影響を及ぼします。
分類
米国有害物質・疾病レジストリ(ATSDR)によると、アスベストは大きく「アンフィボール系」と「クロシドライト系」の2種に分類されます。
- アンフィボール系は硬くて剛性があり、セメント配管などの耐久性が求められる製品に使用されます。
- クロシドライト系(チオライト)は柔軟で繊維が細く、繊維製品や断熱材に広く用いられます。
物理的性質
アスベストは耐熱性と耐酸性に優れ、さらに非常に高い引張強度を持ちます。鉱物学的データによれば、引張強度は鋼を上回るとされています。そのため、アスベストを含む材料は高圧でも曲がりにくく、耐久性の高い製品に適しています。
化学的性質
無臭・無味の固体で、組成に応じて色が変化します。鉄・マグネシウムを含むと淡い緑色、鉄を含まない場合は淡白色、鉄・ナトリウムを含むと青緑色からラベンダー色になります。
主な種類
代表的なアスベストには以下のようなものがあります。
- ヴァーミキュライト:断熱材や土壌改良材として利用。
- クロシドライト:かつてはロープや糸に使用されましたが、現在は主に断熱材に使用。
健康への危険性
長期にわたるアスベストの吸入は、中皮腫、肺がん、呼吸不全などの重篤な疾患を引き起こすリスクがあります。主な曝露経路は職業上の接触で、自動車修理、建設、発電所、製鉄所、鉄道などの作業現場で見られます。
