体シラミとは
体シラミ(Pediculus humanus corporis)は人の血を吸う小さな昆虫で、衣類に卵を産み、皮膚表面に這い上がって吸血します。主に宿主が安静にしているときに血を吸い、衣類が皮膚に密着している柔らかい部位を好んで刺します。感染は感染者との密接な接触、特に過密・不衛生な環境にいる人々(ホームレスや難民など)から広がります。体シラミは清潔でない環境に生息するため、疫病斑熱(Rickettsia prowazekii)、塹壕熱(Bartonella quintana)、再発熱(Borrelia recurrentis)などの病原体を媒介することがあります。
体シラミに刺されたときの皮膚症状
小さな赤い点ができる
刺された直後は、かゆみを伴う微小な赤点が現れます。主に脇の下、肘の裏側(肘窩)、下着付近、鼠径部、太ももの上部、ウエストラインなど、皮膚が衣類と密着しやすい柔らかい部分に見られます。
赤い斑が膿疱状に変化する
時間が経つと、最初の赤点は隆起した膿疱様の発疹へと変わり、ドイツはしか(麻疹様)に似た外観になります。これは体シラミの咬傷に対する皮膚のアレルギー反応です。
炎症が進行し、先端が白くなる
掻きむしり続けると、発疹は炎症を起こし、先端が白い点を持つ小さな円錐形の隆起に変わります。
皮膚が肥厚し暗くなる(放浪者病)
長期間にわたって体シラミに寄生されると、ウエストラインや太ももの上部、鼠径部など重度に刺された部位の皮膚が厚くなり、色が濃くなる「放浪者病」と呼ばれる状態が現れます。
ひび割れや潰瘍ができ、二次感染の危険
かゆみで頻繁に掻くと皮膚がかさかさになり、ひび割れや潰瘍が形成されます。これらは真菌や細菌による二次感染の入り口となり得ます。
