タバコの煙に含まれる有害成分とその影響
主流煙と副流煙
科学者はタバコの煙を「主流煙」と「副流煙」の2つに区別します。主流煙は喫煙者が吸い込み、吐き出す煙です。一方、副流煙はたばこが燃焼するだけで生じる煙で、燃焼温度が低く、生成条件が異なるため、主流煙に比べて多くの有害物質が高濃度で含まれます。
副流煙は主流煙よりも毒性が高く、健康へのリスクが大きいとされています。
発がん性物質
発がん性物質とは、人にがんを引き起こす要素や化合物のことです。たばこの煙自体が発がん性物質として分類され、数多くの有害化学物質が含まれています。国際がん研究機関(IARC)は、受動喫煙に含まれる11種の既知の発がん性化合物を特定しました。
- 2-ナフチルアミン
- 4-アミノビフェニル
- ベンゼン
- ビニルクロライド
- エチレンオキシド
- ヒ素
- ベリリウム
- ニッケル化合物
- クロム
- カドミウム
- ポロニウム‑210
他にも、ヒ素、ベリリウム、カドミウム、鉛、ニッケル、ベンゼン、ビニルクロライドなどが長期曝露でがんリスクを高めます。
農薬
農薬は主に害虫駆除に使用される化学物質です。たばこの葉に散布されることで、煙中に農薬が残留します。コロラド鉱山大学の研究者は、フルメトラリン、ペンディメタリン、トリフルラリンという3つの農薬がたばこに含まれ、いずれも発がん性が確認され、内分泌系を乱すことが報告されています。
ニコチン
ニコチンはたばこの依存性成分で、依存度はヘロインやコカインに匹敵すると言われています。油性で水に溶けるニコチンは、刺激作用と抑制作用の両方を持ち、血圧上昇、筋肉の震え、血管硬化などの副作用を引き起こします。ただし、単独でがんを引き起こす証拠はありません。
