膝の手術に伴うリスクと対策

米国整形外科医会(AAOS)によると、人工膝関節全置換術後の合併症は患者の2%未満です。しかし、すべての膝手術には一定のリスクが伴い、特に開放手術は切開が大きくなるため、低侵襲手術に比べて合併症が起こりやすいとされています。

血管損傷

稀ではありますが、手術中に血管が損傷することがあります。特に、既存の人工膝関節を取り外したり修復したりするリビジョン手術でリスクが高まります。膝周辺や後方には複数の血管が走っており、大量出血が起きた場合は輸血が必要になることもあります。

血栓(血栓症)

膝手術後の合併症として最も頻繁に報告されるのが血栓です。術後は膝や脚をある程度固定する必要があるため、血流が低下し血栓ができやすくなります。術者は脚を高く上げる、圧迫ストッキングを着用する、抗凝固薬を使用するなどの血栓予防策を指示します。

感染症

開放手術は切開が大きいため、手術部位感染のリスクが高くなります。細菌が創部に侵入すると、痛み・腫れ・治癒遅延・瘢痕などが生じます。手術前後に抗生物質を投与し、感染兆候が現れたら速やかに医療機関を受診してください。

関節の硬直

開放手術は回復に時間がかかるため、一定期間膝を動かさないことで硬直が残ることがあります。ある程度の可動域低下は避けられませんが、理学療法士と連携し、適切なリハビリ運動で可動域を回復させることが重要です。

神経損傷

大きな切開が必要な開放手術では、稀に神経が損傷することがあります。特に腓骨神経が傷つくと、足や足首の感覚低下や筋力低下、歩行困難が起こります。術前の説明と術後の適切な管理が求められます。

まとめ

膝手術は成功率が高いものの、血管損傷、血栓、感染、硬直、神経損傷などのリスクがあります。手術前に医師とリスクを十分に確認し、術後は指示されたリハビリや予防策を遵守することで合併症の発生を最小限に抑えることができます。

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