膝関節全置換術で使用される器具と手順
手術概要:第1段階
手術は全身麻酔下で行われ、モニタで患者のバイタルサインを常時監視します。術前に患者をドレープで覆い、外科医は4〜8インチ(約10〜20cm)の切開を行います。切開後、リトラクターで皮膚と軟部組織を開口部から遠ざけ、ボビーペンシルで出血を止めます。膝関節が露出したら次の段階へ進みます。
第2段階
外科医は関節を観察し、ロンジュールで不要な骨棘を除去します。その後、ジグと呼ばれる骨切り器具で大腿骨、脛骨、膝蓋骨を所定の形に切り取り、除去します。ボビーペンシルで出血を最小限に抑えながら、人工関節を関節空洞に仮置きし、ドリル穴の位置をマーキングします。
第3段階
骨鋸で切除した骨端を人工関節に合わせて整形し、ドリルで骨に穴を開けます。そこにスクリューで人工関節を固定し、厚めのセメントを塗布してさらに固定します。最後にハンマーと金属ピンで人工関節と上下肢骨をしっかりと結合させます。
第4段階
腱や靭帯を元通りに縫合し、筋肉・組織層を順に閉じます。吸収性または永久性の縫合糸が使用され、皮膚は通常ステープルで閉じられ、術後12〜14日で除去されます。
誤解と実際
膝関節全置換術は手術時間が数時間で済むため「簡単」だと誤解されがちですが、実際は大きな骨を切除し、周囲組織に負担がかかります。大量出血や輸血が必要になることもあり、感染リスクや合併症の可能性も否定できません。とはいえ、手術は安全性が高く、術後の疼痛が大幅に軽減し、生活の質が向上するケースが95%以上と報告されています。
